「三流シェフ」三國清三
何のこだわりもなく、ただ無心に鍋を洗い、磨く。
辛い作業、面倒な作業をまったく厭わない。
頼まれもしないのに、自分の休む時間を削ってまで、率先垂範して鍋を磨く。
それは、純粋に笑顔がほしいから。
そんな、彼の人生の奥義が詰まっている。
彼の料理作りをYouTubeで見ていると、その思いがよく分かる。
効率とか利益の増加とか、それを求めることはいい。
でもそれは、普遍的である気がしない。
非効率は、ときに人を動かしていく。
寒い朝、一行一行を大切に読み続けた。
彼への見方が変わった。
「並大抵ではない頑張りとインテリジェントな仕事ぶり、その2つの力によって君は僕が愛してやまない世界を見せてくれた。キヨミはフレディ・ジラルデ、ジャンとピエール・トロワグロ、ポール・エーベルラン、それに私、アラン・シャペル、その他彼の師匠と呼ばれるフランス人シェフたちの料理を見事に”ジャポニゼ”してのけたのだ。この偉業によって恩赦が生まれるほど、彼の仕事はすべての人にとって尊く価値の高い出来事である。 心より、愛をこめて。」 〜アラン・シャペル〜
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