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日本人のための憲法原論

 再々読くらいか。つねに新しい気づきを得る。

 ”亡国の淵に立っていることを見つめることから、すべては始まるのです。”

 ”何が正しく、何が悪いことかを決めてくれる権威がなくなった戦後の日本人たちにとって、ただ1つの尺度はカネだけになってしまった。”
”人間が生きていくためには、何らかのガイドラインがなければならない。そのガイドラインとなるのが規範であり、モラルなのですが、そうしたものを作るのが他ならぬ権威なのです。”
 権威が否定された状況を、デュルケイムはアノミーと呼んだ。憲法では、天皇の前の平等は取り除かれ、単に平等だけが与えられ、結果の平等と勘違いし、運動会では一緒にゴールとなった(笑)
民主主義における平等を考えましょうよ。

 マックス・ウェーバーは、官僚制は家産官僚制と依法官僚制の2つあると言った。家産官僚制は王様の僕で、言われたことをする。依法官僚制は法に従う官僚です。では日本はどうか。もちろん依法官僚制の筈だが、現実は一部だと思いたいが私物化しているように見受けられる。
”依法官僚制にせよ、家産官僚制にせよ、官僚というものは放っておけば、自分の権力をどんどん肥大化させ、腐敗していくものと相場が決まっています。官僚とは本来、悪であると考えた方がいい。”
”日本においては法は役人が作り、役人がその法を運用し、しかも法の解釈までも行っている。これはヒトラー以上の独裁です。”

 500頁に及ぶのですが、忘れていたことや、こんなことも書いてあったのかと、面白くて一気に読みました。憲法は国民が守るものではなく、政府が守らなければならない法律です。でも、日本はトホホです。
今回読んで気になったのは、”抵抗権”という言葉です。

#日本人のための憲法原論  #小室直樹 #読書 #憲法 

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