ビジネス中級編:ブランディング戦略を制する者は業界を制する!カウンセリングで開業を続けるときに考えたいこと①

今回のテーマはブランディングの重要性についてだ。

Brand+ing。

はて??
ブランドをする???

「ブランド」というと、パッと浮かぶのは、シャネルとかGucciとかのハイブランドがイメージされると思う。その時、そのブランドのロゴも一緒に脳裏に浮かぶのではないだろうか。これはまさにブランド戦略に成功している例だ。

何かの言語・固有名詞を聞いたときに、そのイメージがビジュアルで頭に浮かび上がる

これがブランディングの理想形だろう。
できれば、そのブランド名を聞いたとき、一緒にそのブランドが代表する商品をイメージできるとなおよい。

たとえば、きりん。の愛するコーヒーを飲みたいと思ったとする。

そこで、「あ、きりんコーヒーが飲みたい!」と思ったら、その時脳裏にはそのお店のコーヒーの味、店舗イメージ、店名や商品、店のロゴなどがばばっと浮かぶ。これがブランディングである。

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〇ブランディング戦略の成功例

ブランディング戦略がすごくうまいなと思う企業の一つに、ユニクロ(ファーストリテイリング社)がある。

ユニクロの戦略イメージは赤。
ロゴは赤地に白で「UNIQLO」と印字されている。ただそれだけのシンプルさだ。
でも、シンプルであるがゆえに、覚えやすい。
そして、ユニクロの代表格商品といえば、夏はエアリズム、冬はヒートテックだ。

年がら年中、夏でも冬でもユニクロがイメージできる。

と、いうわけでユニクロは、目から、耳から、そして、シーズンの上でも自社のブランドイメージを植え付けることに成功しているいわゆるブランディングの成功事例だと思う。

と、ここまで書いたが別に今日のコンテンツはユニクロを大絶賛したいわけではない。

〇カウンセリング業界でブランディングを考える

そもそもカウンセリング業界にここまでブランディングに成功している企業があるだろうか。

例えば、学会などで名前が売れている先生がいて、その先生の開業されているセンターのお名前が有名だということで、センター名、代表者名を見聞きするということはある。
だとしても、そのセンターのロゴが思い浮かぶ…まではいかない。

なぜか。
そもそもブランディングを考えて作っているセンターがそう多くないからではないだろうかと私は思う。

カウンセリング業界において、利益誘導につながる行為は強く禁じられている。例えば、他の仕事先に自身のカウンセリングセンターのパンフレットを置くなんていう行為はまさに利益誘導だろう。

こうなると集客の仕方を考える際には一工夫いる。
開業はしたい方は多いけれど、利益誘導にならないような集客の仕方が分からず、また、「儲け」につながる仕組みを考えての開業をする・できる人は少ないのではないか。そして、それゆえにブランディングを考えつくせていない結果になっているのだとすれば、もったいない限りだ。

しかし、考えてほしい。

顧客志向に立った時、その会社がどんな会社で、どんな商品が売られていて、価格帯はどれくらいとはっきりしている方が買い物はしやすくないだろうか?

こういう意味で、開業を考える時、顧客志向にどれくらい立てているかは大切だし、ブランディングはそのために行う。

きりん。が、現場の仕事をしている時、よく言われるのが
「どこでカウンセリングが受けられるのか、どこに行けばいいカウンセリングを受けられるのかわからない」
ということ。

どんなセンターがあるのか。
それを顧客に想起してもらえないというのは、それだけ視聴覚の両方に訴えている効果的なブランディング戦略がとれているところが少ないのかもしれない。

こうした点を個人的に常々残念だなと思っているし、これからのカウンセリング業界においてブランディングの力を高めていくと、よりクライエントにカウンセリングというサービスが届きやすくなると思う。

「カウンセリングをもっと身近に」
この言葉を沢山のSNSで見かける。
でも、そのための行動がとれているところは、果たしてどれくらいあるだろうか。
じゃあ、どうすればいい?という事になるのだが、きりん。が開業のご相談を受ける時に、まず第一の手がかりとしてお伝えするのがAIDMA理論だ。

〇AIDMA理論とは

AIDMA理論は1920年代アメリカの実務家サミュエル・ローランド・ホールが提唱した消費者行動のプロセスモデルである。

何か商品を購入する際、消費者はまず何かに注意をする:気づきの段階だ。
そして次にその商品に関心を持つ。関心をもつと、次は欲求の段階。欲しいかどうかを検討する。そこで購入に至らないから忘れる。もしくは、何となく覚えている。
それが記憶。そして、「あ、あれがあったと思い起こす」。そして最後が行動。実際の購買につながる。

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消費者の行動は、この5つの段階を経るというのが基本なのだ。

この図式で行くと、カウンセリングサービスの多くはそもそもが、まず気づきの段階にすら入れていないことがわかる。

だから、まずどのように気づいてもらうかは大事だ。

カウンセリングはClのニーズによってそのサービスが開始され、そのニーズの高さが継続の鍵になる。
「自ら変わりたいと望む力」
私たちはこの力を信じてサービスを提供する。
基本的には受け身の姿勢だ。

だが、私たちの仕事が受け身の姿勢だからと言って、そのサービスを提供していることが業界人しかしらないでは、私たちが本来願っていること、「Clの幸せに貢献したい」という思いが届かない。

誰かにサービスを届けたいと思っていても、相手に気づいてもらえていないなら、そのサービスは失敗になる。
ただただ待っていればいいわけではない。
必要な情報提供を正しく行い、その上で選んでもらうシステムを作る。それこそが、これからの私たちの業界に必要なことだと思う。

だからこそ、ブランディングはものすっごく大事なのだ。

では実際のブランディングの具体的な内容については、また次回。




[あとがきにかえて]
少しずつ私たちの業界は様変わりの様相を呈し始めている。きりん。がこうしたビジネスブログを書こうかしらという行動が出来たのも、その影響を受けているからだろう。
ただ、思うのだ。どんなに時代が変わっていても、心理臨床は時間をかけて丁寧に磨かれた技の結晶だと。「30年臨床をしてやっと一人前」。私のSVを長年務めてくださった先生はよくそんな風に仰られていた。長年研鑽を積んだその技術の上にこそ、私たちの仕事は成り立つのだろうと私は考えている。心理業界のビジネスブログを書いているからと言って、先達である偉大な先生方が語っておられる、まるで針の穴に糸を通すような繊細な技術、臨床の英知のすばらしさをこのブログは否定しているわけではない。
臨床家の持つ技術のすばらしさがあるからこそのカウンセリングの価値であること、そしてその価値は一言で表しがたいものであることを誤解せず、その上でこのブログを参考にしてもらえると嬉しい。


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