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ぬくぬく快適、のはずが|フリーランス奮闘記 vo.05

フリーランスになってから、主に在宅で仕事をしている。女手ひとつで子供を育てているので、時間の融通が効くようになって精神的にも、身体的にも負担が減った。

最初は私が家にいることで少し居心地悪そうにしていた子供も、数ヶ月もすると、帰宅したときに私がいるのが当たり前になり、この頃ではむしろ安心したような表情を見せることが増えた。

とはいえ、学校から帰るとすぐ遊びに行ってしまうので、一緒にいる時間が特別増えたわけではない。けれど、日常の中で顔を合わせる回数が増えたのは、やっぱり良かったと思う。

「ただいま」「おかえり」
「学校どうだった?」「普通、遊びに行ってきまーす」

こんなあっけないやりとりだけれど、何気ない会話こそが嬉しい。
子どもが、というより、私自身が一番嬉しいのかもしれない。

こうして日々の中で、小さな幸せを感じることが増えた。
けれど、ひとつ大きな悩みもできた。

在宅で仕事をしていて、家の居心地がいい。そう、気をつけないと、すぐに運動不足になってしまう


在宅で仕事をしていると、どうしても動く機会が減る。
家の居心地がいいのはありがたいが、気をつけないと運動不足になってしまう。そこで、こもりがちにならないよう、健康管理には気をつけることにした。

今年は日常的な運動量を増やすため、新年からウォーキングを始めた。最初は寒さが堪えたが、歩き慣れるうちに体が温まり、むしろ頭がすっきりするのが気持ちよかった。仕事の合間に軽く外を歩くのが習慣になりつつあった。

そこへ、寒波がやってきた。

冬生まれなのに寒さに弱い。上下ダウンを着ることである程度はカバーできるようになったが、顔が冷えるのがつらい。空気が刺すように冷たく、肌がピリピリしてくるのが特に苦手だった。急な寒暖差で体力を奪われるのも怖くて、寒波が去るまでウォーキングは控えることにした。

1日2日もすれば寒波は去るだろう。そう思っていたのに、なかなか収まらない。外に出るのが億劫になり、気づけば数日が過ぎていた。

外に出ない日が続くと、生活のリズムが乱れる。
リズムが乱れると、決まって体調が悪くなる。

案の定、胃腸の調子がすぐれなくなった。持病の潰瘍性大腸炎の症状がぶり返し、逆流性食道炎も悪化した。特に夜になると、胃酸がこみ上げてきて眠れなくなる。横になるのが怖いので、クッションを積み上げて半身を起こしたまま寝ようとするのだけれど、それでもなかなかうまくいかない。胃の不調は、暖房の効いた部屋の中で静かに続いていく。


胃腸の調子が崩れると、普段よりもいっそう食事にも気をつける。刺激物は避け、消化のいいものを選ぶ。それでもすぐに胃が重たくなる。食べる楽しみが減ると、つられて気持ちまで沈んでしまう。

本当なら、このくらいの寒さに負けず、外へ出て体を動かしたほうがいいのだろう。だけど、沈んだ気持ちはなかなか浮上しない。

寒さが続くと、身体も心もどこか縮こまる。そして冷え込む空気に合わせるように、胃腸の調子も気分も沈んでいく。

そんなふうに考えているうちに、また日が暮れていく。布団の中でスマホを眺めながら春の気配を探してみるが、まだまだ寒さは続きそうだ。

胃の調子が戻るのは、もう少し先になりそうだな、と思った。

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