SMB営業のポイントー実は提案の質が重要
前回、大手企業向けの営業(エンタープライズ営業)のポイントについて解説しました。
今回は中小企業(SMB)に向けた営業であるSMB営業について、openpageでのデジタルセールスご支援経験も踏まえ解説します。
SMB営業のポイント①前提、法人組織ALLに導入できる安価なプロダクト
まず、SMB営業が出来るとは、取り扱うプロダクトがどんな法人企業でも導入可能なものでなければなりません。
昔で言えばコピー機がわかりやすいです。SaaSの元祖である営業管理ツール、SFAもそうでしょう。最近ではWEB商談ツールや議事録ツールなどが該当します。
どんな企業でも導入すると業績が上がる、業務効率がアップするというものであれば、広くSMB営業が可能になる。これが最低条件です。
また、価格設計も不可欠です。中小企業が顧客の場合は、単価は月10万円以下の金額帯になります。単価が高くない製品だからこそ、なるべく多くの顧客に導入するという営業スタイルになりやすいというのがSMB営業の特徴です。
SMB営業のポイント②課題顕在層からアプローチするのが効果的だが…
数多く導入してもらうという観点では、ツール検討の顕在層や、わかりやすく課題感が高いような顧客を対象に営業をしたほうが、受注率が高いので数字は上がりやすいです。
ただし、これは競合他社も同じことを考えます。単価が安い製品は機能もシンプルなので模倣もされやすいです。近しい製品の競合営業同士が、ツールの顕在層を狙い打ちし合うと、営業がバッティングして受注率が下がる可能性もあります。
そのため、確かに顕在層を狙うほど受注しやすくなる反面、競合が多いとその分、受注率が1/2、1/3…と競合数の数だけディスカウントされてしまう、ということもSMB企業にアプローチするうえでは考慮しなければなりません。
競合よりも早く顧客にリーチする、仮に競合とバッティングしても選ばれるようなる提案が出来るという、競合に打ち勝つ営業力が営業担当には求められます。
SMB営業というと、質より数という人もいますが、競合対策と後述する経営者向け営業が多くなるという観点では、質重視のほうが良いです。雑に営業されて喜ぶ顧客なんていません。
SMB営業は顧客の決裁者が社長や役員など、会社の代表格の方が多いので、提案の品質自体は手を抜けないのです。
ただし、マーケットは大きいので、できるかぎり営業担当をたくさん採用する必要があり、品質低下は起こってしまう、ということが実態です。
SMB営業だからといって質が低くてもいいという訳では決してありません。マーケットが大きいからこそ営業人数を増やす必要があり、その結果として営業の提案品質が下がっているという構造だと認識しましょう。
ですから、SMB向けの営業提案力の低下をセールスイネーブルメントやデジタルセールスへの投資で防いで、営業力を維持・向上しなければならない、ということが現実であって、弊社openpageも SMB営業の品質改善のご相談は増えています。
SMB営業のポイント③広域の職域を見ている経営者が決裁者になる
SMB顧客の場合は、社長決裁や役員決裁であることが多くなります。
エンタープライズ営業と異なるのは、SMBの顧客は一つの職域だけでなく複数職域を横断的に見る経営者であるということです。
例えば労務のツールを営業するとして、エンタープライズ営業であれば人事部門の中の労務担当という、専門特化された職域の担当者と商談をするでしょう。
一方でSMB営業の場合は、バックオフィスも社労士に相談しながらうろ覚えで兼務で行っている管理側の取締役、のような対象に変わります。
とすると、SMB営業の顧客の興味は、自社が提案するツールの領域よりもはるかに広域だったりします。
そのため、いきなりツールの製品資料を取り出して、弊社が考える課題はxxで、このxxの機能でこんな解決ができます!と自信満々に提案しても、そもそも顧客の興味と全然離れている可能性も高いので、何言ってるんだこの営業は?というズレが起きやすいのがSMB営業です。(それで適当に顧客に流されてしまい、「検討するって言ってたけど温度感低かったです」と営業が社内報告してしまい、提案のズレがなぁなぁになりやすい、という実態もあります。)
SMB営業を行うなら、経営観点で考えたときに自社の製品のポジショニングはどこに当たるのか、と少し広い視座で自社を定義して表現できるようにしたほうがいいでしょう。
昔の営業は、社長のパートナーのように振る舞い、可愛がってもらうということはよくあったと聞きます。今はそういった場面は減ってきているかもしれませんが、少なくとも経営者と同じ目線で話せるようにしたほうがいいのは変わりないでしょう。
SMB営業のポイント④社長に気に入られるかが鍵だが、長期トレンドはミレニアル世代が意思決定者に(複数人での意思決定へ)
とはいえ、この経営者に気に入られて契約を取る、というのも長期的なトレンドに立ってみると、いずれは古いものになっていくと推測されます。
米国の調査情報では、法人顧客の購買担当者のミレニアル世代化、つまり今で言うとこの30〜40代の方が顧客になることが増えてきているというデータがあります。
日本の社長の平均年齢は60歳と言われていますが、例えばあと10年経つと、息子に会社を跡継ぎさせる、といったシーンも増える。とすると、20〜30歳下の年齢層である、ミレニアル世代が顧客になる世界観はそう遠くはありません。
そして、ミレニアル世代はウェットな人間関係だけで購買するのを嫌います。AmazonやGoogleのおかげで買い物をレビューを見て行う傾向が高まっており、自分1人で判断せず客観的な他の人の意見を考慮して購買する傾向が明らかに強いです。
そして、ミレニアル世代ほど購買は複数人の合議制で行うという法人企業のデータもあります。
つまり、昔のように社長に気に入られて〜という営業スタイルは、10年くらいの単位で見た時に、古くなって通用しなくなる危険性も孕んでいるのです。
そのため、経営目線も持ちながら客観性を持って提案する、というズルの効かない世界に営業も変わっていくでしょう。顧客がミレニアル世代化(デジタルネイティブ化、情報力が高い世代)になるほど、より提案のデジタル化や情報リッチ化が求められ、営業の必要スキルも変わっていくものと思われます。
SMB向けの提案もopenpageでデジタルセールス
ここで宣伝です。openpageは法人顧客への営業提案をデジタル上で作り込み、提案の効果計測が出来るツールです。
社長向けに行うヒアリングや提案をデジタル管理し、顧客に御社専用のページです、と営業が提案ページを作ることが出来ます。
その中で品質の高い営業提案を作り込み、提案することで受注率を改善することが可能です。営業マネージャーはopenpageの管理機能をチェックし、どの営業がどんな提案をしているか細かくフィードバックすることもできます。米国ではデジタルセールスルーム(DSR)と呼ばれる新ジャンルのツールです。
openpageにご興味がある方は、管理画面などをお見せすることも出来るので、お気軽お問い合わせください。