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ミツバチに学ぶ!? 熟年こそ海外出張すべき?

コロナ中に、友だちがFacebookでシェアしていたために買って読んでいた、Wintering(邦訳:『冬を越えて』キャサリン・メイ著、石崎比呂美・訳、K&Bパブリッシャーズ)という本があります。英国の編集者が、自らの「冬のような」日々を、さらに寒いフィンランド等への旅をしてサウナで倒れてしまったり等、も含め書いた、含蓄の深いエッセイです。編集者ということもあってか、文学作品などへの言及もあり、知らないものももちろん多いですが、奥深い作品となっています。私にとって英語の本は読みやすかったり読みにくかったりですが、この本は読みやすいリズムのせいか、比較的どんどん読んでいける類いのものです。
途中まで読みかけていてそれきりになっていたのですが、先日発掘、残りを読んでいます。その中にミツバチの話が出てきました。ミツバチの社会というのがいかに合理的に形成された、ミツバチのサバイバルと反映のためのシステムであるか、ということが書かれていました。
ミツバチと言えば女王バチがいて働きバチがいて、という感じですが、その働きバチにはなんと年次があり、経験を積むにつれ仕事を変わっていくのだそうです。一番経験を積んだ、要はベテラン働きバチは外回りの仕事、つまり花の蜜集めに出て行くのだそうです。外は危険であり、経験や熟練が必要とされるからということのようです。

ハチ社会はものすごく合理的で、春、花が咲き始めるとすぐ蜜集めを始め、巣を作ったり女王バチがタマゴを産み続けます。働きバチたちは巣作りやタマゴ、幼生の世話などもします。冬越しは実際、ハチたちにとって死活問題で(というのがこの本のテーマと通底しているのですが)、種付けを終えたオスたちは死に、働きつづけた働きバチも死に、人(?)員を減らした状態で冬を迎えるのだそうです。
ハチが羽ばたくための筋肉を羽根から切り離すことができるために、今度はそれを発熱に使い、コロニー(円陣)を作って発熱し、お互いを温めあいます。35度~45度くらいは維持できるのだそうです。発熱に疲れたら休んで、他のハチが発熱します。怖ろしいほどの合理性です。

経験を積んだ者が外へ行く、と読んでふと思ったのは人間はそうでないかな、ということ。どちらかと言うと機動力のある若い世代が外に出て行き、海外などもそうかと思います。ですが果たしてそれがベストなのでしょうか?
全体の傾向として、世代的に言えば年上の世代よりも若い世代の方が語学力はある、と言えるかもしれません。が、ある年齢以上の人たちでも海外ビジネスの経験を積んできた人たちもいますし、語学ができる人もいます。ミツバチ式に考えれば、こういう経験豊富な人を「外(海外)」に出すのもありなのかもしれない、と思いました。
あるいは若い人と経験の豊富な人が世代を超えてタッグを組む、というのも強力なのかもしれません。
熟年、ミドルシニアもまだまだ現役、実力が発揮できるとともに、若い人たちも自分なりに経験を積んでいけるような、Win-Winの体制があるといいのでしょう。

いずれにせよミツバチの社会はすごいな~と思うとともに、なんでもイタリアのムッソリーニはミツバチ的社会をファシスト的な理想としていた、と同書に書いてありました。やはり人は、働きバチや歯車のように働くのではなく、気まぐれがあったり欠点があったり、サボりたくなったり休んだり、というようなことで成り立っている方がより人らしく、健全であると言えます。自分の「人間らしさ」に目を向け、それを受け入れ大切にしてあげることで、人としてより生き生きとしてくるかと思います。

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