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おおづやん
2021年2月17日 17:58
寒さが少し緩んだ先日、那智勝浦町を訪れた。生マグロの水揚げで日本一を誇る漁港は、今がキハダマグロの最盛期。活気のある男たちの声が街に溶け込んでいるスマホを取り出し、細い路地裏に入った。懐かしい丸型の郵便ポスト、マグロをモチーフにした店看板、飾れている瓶製の「浮き球」など、趣ある風景ばかりだ。次々と訪れるシャッターチャンスのせいなのか、陽気な天気のおかげか、足取りは軽い。港の外れには船の修理
2020年7月8日 17:22
いよいよ桃のシーズンが到来した。私にとっても忙しくなる季節だ。毎年、出荷できない痛んだ桃を安く買い、ジャムにするのが趣味なのだが、いつもの農家が「今年は成りがよく、痛む桃が少ないので申し訳ない」と話していたのがつい先週のこと。5日後、再び電話がなった。「大風で木が折れて、傷のついた桃がたくさんできたので、取りに来て」との一報だった。現地に着くと、丸々と大きくなったのに傷がついている
2020年6月19日 05:00
先日、仲間内との会話で自身の転職の話になった時、18年前、大阪から和歌山へ帰り、働くきっかけになった一冊の本を思い出した。それは、中学生時代から親しんだ吉川英治の小説「宮本武蔵」。野心旺盛で、何事も人と比べる傾向が強かった20代の私に、大きな転機を与えることになった本だ。「なぜ宮本武蔵が佐々木小次郎に勝ったのか」読後、浮かんだ一つのテーマをもとに小説を遡りながら考えた時、武蔵と小次郎の