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イラストレーター、手芸作家向け「仕事とお金の授業」#7 イラストエージェンシーとは
本日の授業内容
こんにちは金曜お昼になりました。手芸作家兼若手イラストレーターの展示をメインとしたギャラリーを運営している大図まことです。イラストレーターと手芸作家に向けた「仕事とお金の授業」。7回目となる本日はイラストとキャラクターライセンスのエージェント会社についてのお話をしたいと思います。
エージェントという言葉は聞きなれないかもしれませんが日本語で言えば仲介業者です。自分に代わって仕事の営業をしたり、交渉や契約をクライアントと結ぶ代理人であり窓口です。転職エージェントとかはたまにCMでも聞きますよね?イラストの世界にもそのエージェントが存在します。
私は現在どこにも所属していないのですがイラストでは老舗のBUILDINGさんに、キャラクターライセンスでは海外ライセンスを多く扱うクラウンクリエイティブさんとエージェント契約を結んでいたことがあります。
仕事の幅を拡げるために
刺しゅう作家として活動していた私はとても狭くて小さな手芸業界で活動を続けていくことに不満と不安を抱えていました。そんな時にたまたま知り合ったイラストレーター阿部伸二さんからイラストのエージェント会社というものがある事を聞きます。どうやらそこに所属すると仕事の幅が少なくとも今よりは拡がりそうだなと阿部さんのコネをフルに使って彼が所属していたイラストレーターのコーディネートエージェンシーBUILDINGに無理やり入れてもらうことになりました。その経緯に関しては以前書いているので興味がある方は是非読んでください。
大企業と仕事をするには?
例外はあるかもしれませんが一般的に直で大きな企業とフリーランスのクリエイターが仕事をする事は出来ません。その都度クリエイターと契約を結び口座を開くことは企業にとってとても面倒だからです。何か問題があったときに対個人の作家だと責任を負いきれない可能性もあります。なので大企業は必ず長年付き合いのある代理店やエージェント会社を間に挟みます。
私はフリーランスになって早い段階で法人化したのですがその理由の1つはそこです。自分の創作物をビジネスとして大きく成長させるために間に代理店を挟まず直接企業とやりとりしたいと考えました。とはいえ法人化してすぐに直契約が出来るかというと実はそうではなくて与信調査が毎回ありました。ディズニーもサンリオもバンダイも契約の前に必ず帝国データバンクや商工リサーチの信用調査会社が事務所に来て根掘り葉掘り事業や私個人について調べて行きました。ビジネスとして大企業と何の情報もない小さな会社が直接契約するということはとても大変な事なのです。個人であればなおさらです。
エージェント会社との契約の注意点
エージェント会社はクリエイターの代わりにクライアントへ向けての営業と契約交渉を間に入って行う対価として報酬の30~50%をマージンとして取るのが一般的です。営業や交渉が苦手で絵を描いたり物を作ったりすることに専念したいクリエイターはとても良いと思います。エージェント会社の利益にも直結するからなのか私の場合は比較的大きめの案件が多かった印象です。
ネットで調べると今は私がお世話になっていた時期よりエージェント会社が沢山あるようです。SNSで活躍するクリエーターが増えたことにより一般的になったビジネスモデルなのかもしれません。どのエージェントが良いのかは正直わかりませんがもし誘われたり自分から所属を希望して連絡する場合、ここだけは注意して契約を結んで下さい。
※もちろん所属を断られることもあると思います。
エージェント会社との契約の注意点
1.専属契約か否か
専属契約の場合、全ての仕事に関してそのエージェントを通す必要が出てくる可能性があります。私がもし専属を打診されたら年間500万は保障してもらいたいです。また専属で無かったとしても他のエージェントから仕事を誘われても出来ないなどの決まりを定めている所も多いので注意が必要です。現在私のギャラリーで展示をご一緒する作家さんでエージェント会社と専属契約をしている作家さんは少ないと思います。
2.自分で取ってきた、もしくは直接依頼が来た仕事は直でしていいか
今の時代SNSがあるのである程度大きな仕事もDMで届いたりするようです。その場合どうするのかエージェント会社との契約前に確認してください。私は直接来た仕事はエージェント会社を通さず直でさせてもらうよう契約書に記載してもらいました。必ずどの範囲までエージェントを通すか明確にしておいてください。もちろん交渉が苦手なので窓口から全て任せたいという場合は別です。
3.契約期間が一番大事
契約時点では良好な関係かもしれませんが実際入ってみたら仕事が少なかったり、契約の条件を改定してほしくなったり必ずします。なので必ず契約期間を事前に定めてください。話し合いがまとまらなくても契約期間が終わるまで我慢すればいいからです。自動更新になっている契約書は注意が必要です。ベストは1年ごとの更新です。
キャラクターライセンス業界だと契約期間が終わったら他のエージェントに移籍するということはよくあります。特に海外のキャラクターは顕著です。プロ野球やサッカー選手の移籍と一緒ですね。移籍先で活躍することは多分にあります。
まとめ
当たり前ですがエージェント会社に所属したからと言って仕事が来るかどうかは保証されていません。今回の授業はこういう仕事の仕組みがあるんだなとわかっておくだけでも良いと思います。興味がある人は是非自分で会社を調べてみてください。
ちなみに私が現在どこにも所属していないのは自社で全て賄えるようになったからです。
本日の課題
・エージェント会社をネットで探してみよう。
・周りの作家で所属している人がいたら詳しく聞いてみよう。
・自分に合いそうな所があったら打診してみよう!
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現在私が運営している蔵前のギャラリー「TOKYO PiXEL. shop & gallery」では3/10(日)までイラストレーターはやしうきさんの個展を開催中です。同時開催としてレトロな手芸作品が人気の毛玉商店さんの初個展をこちらは3/3まで開催しています。お近くの方は是非お立ち寄りください。
TOKYO PiXEL. shop & gallery
〒111-0042東京都台東区寿3-14-13-1F
TEL:03-6802-8219
12:00~19:00
※展示最終日はギャラリー、ショップ共に17:00閉店となります。
▼イベント詳細などはこちらのHPでご確認ください。