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白と赤の混ざった色の花を見て、たまに思い出すこと│はなもよう10

色の混ざった花を見かけると綺麗だと思う。グラデーションの刺繍糸とか毛糸も好き。日が沈む前の空も。

けれど、複雑な感情になるときがある。



グレーゾーンだと言われた時に違和感を抱いた。

認知症かそうではないか。長谷川式とかいうテストをして、この点数はグレーだと。

はじめて医師がそう言ったとき、グレーってなんだと思った。そんなテストで何が分かる。

白は安心で、黒だと不安だという話でもない。



私が悩んでいるのはそんなことではなくて。

調子の良い時も悪い時もあって。
混ざっている状況。

この不安を拭うにはどうしたらいいのかとか。頼っても良い場所はあるのかとか。

やがて、頼る先は医療ではなく介護なんだと分かった。

改善はしない。
現状維持は努力の成果だと誰もが言った。

諦めだけが私を救う、と気づいた。




花の色は綺麗だけど複雑で。マーブルとかグラデーションとか。何色とも言えない色を見ると、たまに思い出す感情がある。

ただ、母の機嫌は悪くない。嫌がっていたデイサービスも今では楽しく通っている。

それは諦めとも受容とも違う気はしている。

そういうものだと。

一色でも何色でも良いのだと、思うようにしている。


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