1907年4月、W・ジェイムズが、ハーバード大学で掲げた序文です。
彼は、『自由論』を著したJ・S・ミルに、深く謝意を捧げています。
1906年~1907年にかけて行われた彼の講演をまとめたものが、『プラグマティズム』です。
その第一講「哲学における今日のディレンマ」では、次のように述べています。
この対立について、ジェイムズは次のような例を挙げています。
合理論的か経験論的か、
楽観論的か悲観論的か、
宗教的か非宗教的か、
自由意志論的か宿命論的か
・・・など。
その中でも、特に注目すべきは、
一元論的か多元論的か
の対立についてです。
この後、彼は第四講で「一と多」というテーマで講義をしています。
これを見て思い出すのは、中国仏教の華厳経にある「一即多 多即一」の思想でしょう。
これは華厳思想の第一人者である鎌田茂雄さんによる解説です。
日本人はミクロコスモスの中に、マクロコスモスを見いだすという宇宙観や自然観を理想としてきました。
現代においても、あの名作漫画「風の谷のナウシカ」の中に、次のような王蟲の台詞が登場します。
森林の木々に囲まれた中で、ふと空を見上げた時、宇宙の中で生きている「自分」について考えてしまうのは、ごくごく自然の流れなのかもしれません。