速報!【祝・慶應大学法学部合格】 英語はエマソンとミルに学べ!!

たった今、自分が教えていた生徒から、「第一志望の慶應大学法学部に合格しました!!」という嬉しい報告がありました。
その生徒には、エマソンの「自己信頼」やJ・S・ミルの「自由論」の原文を、ペンギン社のペーパーバックを使って教えていました。
慶應大学では、文学部の授業で、エマソンの「自己信頼」を使った授業をしていたという情報があったので、まず、エマソンから指導をしました。
(それは、まだ4月~5月のことでした。)

エマソンの主張の中で重要なキーワードは、「Conformity(コンフォーミティー)」です。

同調しない者に対して、世間は不快を持って鞭打つ

The Portable Emerson P.144【岩波文庫「エマソン論文集」酒本雅之訳による解釈】

彼は、「Conformity」という単語を「同調・従属・隷属」という悪い意味で使っています。
「同調圧力が強い」と言われている日本では、彼の主張は、よく理解できるでしょう。
同調圧力が強いからこそ、自己の本性に忠実に、「自己信頼」をして生きていかなければ、世間という鞭に打たれることになるでしょう。
強い決意を持って、世間という荒波と向き合い、闘っていく必要があるのです。

今日だけの善行が未来を作る。やり方はどうであれ、すぐに行動に移れ。

【岩波文庫「エマソン論文集」酒本雅之訳による解釈】

エマソンは、「アクションを起こすことが大切だ」と主張しています。
そして、「スパルタの軍笛を吹け!」と言う形で、世間の「Conformity」と闘う姿勢を示し、次のように述べて、やる気を鼓舞しています。

本当の人間は、他のいかなる時と場所にも属せず、万物の中心にあるという事実を叩きつけてやろう。

【岩波文庫「エマソン論文集」酒本雅之訳による解釈】

同じことは、J・S・ミルの「自由論」にも言えることです。
(今回の生徒にも、9月から「自由論」を使って指導しました。)
「自由論」は、「多数者の専制」(Tyranny of majority)と言う重要な概念があります。
民主主義は、多数決原理です。それは、「少数無視・少数圧殺」の原理とも言えるでしょう。

社会的暴虐(Social tyranny)の執行は、生活の隅々まで浸透するだけでなく、霊魂そのものまでも奴隷化する。
(中略)
多数者の優勢な意見と感情が、暴力的に、個性の発展形成を阻止し、全ての人の性格を社会的に模範的となるようなキャラクターになるよう強制する。

「自由論(On Liberty)」ペンギンブックスP.63【岩波文庫「自由論」関口正司訳による解釈】

自分の卒論は、「人権の私人間効力に関する個人主義的考察」というテーマで書きました。
憲法を学んだことがある人であれば、「私人間効力」の論点については、ご存じだと思います。これをJ・S・ミルの「自由論」を使って批判しました。
20代前半のこの頃から、「自由論」について、かなり深く学んだので、自身の血肉と化しています。
それは、もう骨の髄まで「個人主義」「自由主義」がしみついている状態と言っても過言ではないでしょう。
このように、30年以上にわたって、心血を注いで学んだことは、簡単には揺るぎません。
新聞や雑誌といった、お手軽なメディアで得た「情報」ではないからです。

学問の意義は、このような実践の中でこそ、見いだせるものと言えるでしょう。
30年かけて培った信念や信条は、学ぶ手段が、英語であれ、日本語であれ、全く関係ないのです。

今回、慶大合格の報告をしてくれた生徒は、この指導方法を真っ正面から受け止めてくれました。
このような「学問に対する姿勢」が、彼のこれからの人生にとって、大きな一歩となってくれるのなら、指導した者として、この上ない喜びと言えるでしょう。

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