早稲田の古文 夏期集中講座 第22回 『乞功奠(きっこうでん)』
乞功奠(きっこうでん)は陰暦七月七日の夜に行われる牽牛星と織女星の祭りです。宮中では清涼殿の庭に机を四つ置いて物を供え、周囲に燈台をたて、火取りには一晩中、空薫物(そらだきもの)を焚き、天皇は椅子から二星をながめ、詩歌の宴があったそうです。(『増鏡』(下)全訳注 井上宗雄 講談社学術文庫)
『増鏡』ではこの乞功奠の様子を記録した文が残っています。元亨三年、後醍醐天皇親政の頃の七月七日のことです。
「その七月七日乞功奠、いつの年よりも、御心とどめて、かねてより人々に歌も召さ