【行政書士_ダイバーシティ】OBN(オールド・ボーイズ・ネットワーク)に、まず男性自身が気づくこと、だと思う
行政書士事務所開業準備中の大野です。
2016年に施行され、その後数回にわたって改正されている、いわゆる女性活躍推進法ですが、実際に職場環境が整備されたり、女性自身の行動に変化を感じたりしている方もいらっしゃるのではないかと思います。
皆さんの職場はいかがでしょうか。
🔹ところで、女性活躍は本当に進んでいるのだろうか?
近年、企業経営においてダイバーシティ&インクルージョンという概念を取り入れる企業が増えていますが、まさに女性を含めた社会的マイノリティの活躍が今後の日本経済を支えると言っても過言ではない状況であることは間違いなさそうです。
しかしながら、女性活躍を推進する施策が整っているにも関わらず、女性管理職が増えていることに実感を持てないのはなぜだろうという疑問がわいてきます。
🔹「オールド・ボーイズ・ネットワーク」(OBN)をご存じですか?
そういった女性活躍を阻む要因のひとつに「オールド・ボーイズ・ネットワーク」(OBN)があると考えられています。
企業や組織には、マジョリティである男性が中心となって築かれた独特の文化や目に見えない約束ごとが存在しています。こうした暗黙のルールや人間関係を指して「オールド・ボーイズ・ネットワーク」(OBN)と呼びます。
🔹OBNにはどんなものがあるのか?
「オールド・ボーイズ・ネットワーク」(OBN)にはいくつか例があるので、ご紹介したいと思います。
男性がつくってきたビジネスルール
自分たちの経験によって得た知識前提で話を進めていく/暗黙の了解/根回し文化
男性だけのネットワークの場
男性同士の雑談、喫煙所(いわゆるたばこ部屋)での雑談、飲み会、ゴルフコンペなどでの情報交換・意思決定
上司(役員)に対する忖度文化
上位職の会議になるほど意見がでない/議論が少なくなる/本音を言わない
無意識の行動・バイアス
昇格者を無意識に男性から選ぶ/必要な会議に女性を呼ばない/資料・情報を共有しない
女性への過剰な配慮、思い込み
チャレンジングな業務、緊急・トラブル対応は男性/サポート業務は女性がおこなう
職場環境
空調温度設定/食事の時間/歩く速さ/深夜・長時間労働/早朝出勤
このようなものが「オールド・ボーイズ・ネットワーク」(OBN)と呼ばれるものになります。
わたし自身の職場での実体験としては、会議に呼ばれない/呼ばれなくなる、積極的には仕事を振らない、重要な業務は男性が担当する、担当していた業務から外され、別の男性がその業務を担当する、情報の共有がない、又は情報を共有してもらえないのは個人の問題だと指摘を受ける、給与体系が男性と同等ではない、髪型を男性のようにしろと言われる、等など。
おそらく、これらの言動には、無意識的なものも含まれているので、真正面から伝えても、なかなか理解してもらいづらいと感じざるを得ません。
しかしながら、まずは男性自身に、これら男性特有の行動に気付き、理解を深めてもらうこと。少しずつでも、『女性活躍は弊社の経営戦略である』という考え方にシフトしていってもらいたいものです。
🔹NPO法人J-Winが提唱する『変えられる行動10か条』とは?
オールド・ボーイズ・ネットワークを変える10か条として、ダイバーシティマネジメントを推進するNPO法人J-Winでは、次の10カ条を掲げて男性の行動変革を呼びかけています。
変えられる行動10か条
第1条:行動(成功体験)の押し付け
成功体験はあなたの宝物として心にしまっておきましょう
第2条:上司への忖度
上司の顔色よりも部下の行動の成果を見ましょう
第3条:男女間の不公平
仕事の進めやすさ、振りやすさに関係なく、平等に仕事が分担できるよう、マネジメントしましょう
第4条:傾聴がない
話の腰を折らず、最後までしっかり聴きましょう
第5条:理解不足
一人ひとりの仕事に対する価値観を尊重しましょう
第6条:放置
仕事の目的、背景をしっかり説明した上で、部下に仕事を任せ、伴走しましょう
第7条:男性固有のネットワーク
部下から誤解を招くような固有のネットワークは避けましょう
第8条:男性固有のイベント
物事はオープンな場所で決めましょう(喫煙所、飲み会、ゴルフ場等では決めない)
第9条:生活リズムの男女差
・歩行や食事のスピードに配慮しましょう
・冷房のかけ過ぎに注意しましょう
第10条:合間(ランチタイム、移動時)の使い方
歩行中もランチタイムも(部下との)貴重なコミュニケーションの機会と捉えましょう
(出典:NPO法人J-Win「J-Winレポート37号」)
本日も最後まで読んで頂きありがとうございました。
参考文献 厚生労働省 労働政策審議会 第26回労働政策基本部会
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