【国語】読解力について&植物ネタのすすめ
「勉強ができる」というのは「読解力がある」ということとほぼ同義なのです。
では読解力はどう鍛えればいいのか。これはいろんな考えがあると思いますが、私は「言葉とイメージがちゃんと結びつく」ことが大事だと考えています。文章を読んだとき、それが意味する事柄が頭の中でイメージ豊かに思い浮かんでくる、これが「読解力がある」という状態です。
そういうわけで、いろんな話を読ませて聞かせて、視覚的な情報も見せてあげて、ときには体験させてあげて、ということを地道にやっていくしかありません。
教材は何でもいいと思いますが、上の問題集は使われている文章のチョイスがよかったのでおすすめです。問題を解いたあと、答え合わせや解説は二の次、どころかけっこうどうでもいいです。「ここに書いてあるねー」って確認してあげるくらいです(ここにこう書いてあるから~、という思考が大事になってくるのはもっと学年が上がってから)。それよりも、読んだ文章に関連づけて写真や動画を見せてあげたり、絵を描かせたり、ちょっと考えさせるクイズを出したりしています。要するに、問題の文章を使っていっしょに遊んでいます。
全部が全部「授業で使える」文章ではないので「これは」というものを選んで使っていますが、中でもウケがよかったもの、手ごたえがあったもの、使えそうなネタが含まれているものをシリーズ化してご紹介していきます。
今回は、おおいぬのふぐりについて書かれた文章題より。
基本的なことになりますが、興味を広げるために文章題の出典を実際に読む、というのはとてもおすすめです。個人的な話をすると、高校生のときの模試に出題されていた小説が、解いている最中から心にぶっささり、それが私の読書好きの始まりになりました。それから十年以上経って塾講師になり、授業で扱った問題に同じ作者の文章が出ていて、生徒が「この小説の作者って…」と興味を示していたときは感慨深いものがありましたね。
他にも、「教材によく出てくるこの人の文章おもしろいなあ」と内田樹氏の本を読むようになり、影響を受けています。
さて「おおいぬのふぐり」ですが、植物ネタは国語的に非常に扱いやすいです。また、理科で学習する分野でもあるので、積極的に話を広げてあげたいところです。
植物が扱いやすいネタである理由のひとつが、実際に探しに行けるという点です。
また個人的な話をすると、妻は小1のときに授業で外へ行き「なんでこれがおおいぬのふぐりって名前なのかと言うと」という話を聞いたことを、今でもよく覚えているそうです。すごいことです。
フィールドワークはやはり大事です。外に行けないとしても、持ち込むという選択肢もあります。最悪でも「今度探してみて」と言いたいところです。
そしてもうひとつの理由ですが、なんといってネタが豊富です。
この絵本は、とっても丁寧に描かれたいい絵本ですが、ネタ的においしい他の植物もいっしょに描かれています。
からすのえんどう
見つけやすくて「遊べる」草花の代表格。ちょっと触れただけで弾ける種子が有名ですが、あれは実は「自力で弾ける直前」らしいです。「種が自力で弾ける!?」というなかなかショッキングな豆知識を最初に教えてくれたのは、『きみの隣りで』(益田ミリ)でした。実際に探しに行きたくなる植物ネタが満載で、かつ登場人物の心情を植物の話と重ね合わせながら丁寧に描いたエピソードがぐっとくる、とてもいい漫画です。子供に読ませたくなります。
また、からすのえんどうは食べてもおいしいらしいです。未経験ですがこれを機に来年は、と思っています。最近『ザッケン』(上村奈帆)という漫画で描かれているのを読みましたが、おいしそうでした。(こちらの漫画もおもしろいです)
やえむぐら
こちらも遊べる草花ですね。いろいろあるひっつき虫のひとつですが、中でも見た目がかわいいです。
はこべ(はこべら)
学生は必ず覚える春の七草。一度は食べさせたいですね。娘は「はこべを運べ」とダジャレを言っていました。
ひめおどりこそう
オドリコソウは、ぜひクイズにしたいネタです。名前を伏せておいて「この花、あるものに似ているってことで、それにちなんだ名前がつけられたんだけど、なんだと思う?」
今回、授業で使うわけでもないのに、いい感じの写真を一生懸命探してしまいました。昔はよく、授業で使うための写真を夜中までかかってでも探していて、大変でしたがけっこう好きな時間でした。子供たちの反応がうれしいので。オドリコソウの似てるっぷりは感動ものです。ぜひ一度実物を見てみたい!
種について説明されたページでは、いつもやっているお絵描き算数の要領で計算問題を出してみました。
「はっぱの かずだけ はなが さき、はなの かずだけ みが できました」
「1この みに はいっている たねは 20こくらい」
「ひとつの ねっこから、73の はなが さきました」
では、1個の実に必ず種が20個できるとしたら、種はいくつあることになりますか。
上の文章と絵から「花も葉も実も73個だ」と読み解かせることも大事ですし、かけ算もなかなかちょうどいい問題です。娘は小2で、まだ九九も習っていません。もちろんかけ算のひっ算もできません。でも「かけ算とはなんぞや」というのは理解しているので(キングドミノのおかげで)、自分なりになんとか計算していました。そのあと、こういうふうに考えると計算しやすいよ、といった話もしました。
そして最後に、おもしろい名前の植物たちをタブレットで画像を見せながら(授業じゃないとこういうところが楽でいい)紹介して盛り上がりました。
エンジェルランプ
なんじゃもんじゃ(ゲームが好きなので)
コミカンソウ(ほんとにみかんに似てる)
ヘクソカズラ
ワルナスビ
タカサブロウ(予想外に爆笑してた)
スズメノテッポウ
このあたりが特にウケがよかったです。