昔ながらの商品をリニューアルするお話 #2
こんにちは。オオニシ体育株式会社の渡邊駿介です。
遊具メーカーを経営している家系に生まれたために、そこに勤めることとなり、試行錯誤しながらこんな記事を書いている26歳です。
トップ画像は弊社に古くからある、独創的な巧技台模型(壁掛け)です。
#アートって難しい
#人望人形と書いてありました
今回は弊社のロングセラー遊具のリニューアルのお話第二弾です。
前回の記事に反応してくださった方々のおかげで現在記事を執筆するモチベーションを維持できております。
引き続きどうぞ応援よろしくお願いいたします。※何度も言いますが、2020年12月現在、まだまだ完成の形は見えておりません。
前回のおはなし
60年以上ロングセラー品となっている幼児用室内遊具「巧技台」を販売してきたのですが、
少子化という大きな問題に直面し、子どもの運動不足、体力低下、などの事実がある中で、
ただ一つ、会社として、社会としてこのままでは良くないのでは?と漠然とした考えを持つようになり、
・子どもの体力低下が思っているよりもかなり深刻だった
・巧技台ってなんでこの形、色で、何が良いとされているのだろうか(古すぎてなぜこの色になったのかの記録がありません)
・そもそもなぜこんなにも会社が続いているのだろうか
・NEW 医療福祉の施設で巧技台が活用されている
・NEW 巧技台を通じた医療従事者の方との出会い
こんな気付きがありました。とお話しました。
続きのお話
リニューアルをしようと思った理由は、先ほどあげた気付きに関わることがきっかけなのですが、具体的なことは長くなりそうなのでまずは施策から。
病院でのアート・プロジェクトなどを手掛ける「NPO法人チア・アート」さんを今回のリニューアルプロジェクトのディレクターとしてお招きし、
「医療福祉×アート×巧技台」
というテーマでリニューアルをしたいと考えました。
なぜこのように考えたのかというところがきっかけのお話です。
リニューアルのきっかけ①
大きく2つあるのですが、まず1つ目です。
先ほどから頻繁にでていますが、私の中で「医療」というワードがきっかけになりました。
巧技台の特徴としては前回お話した通り、使用場所は保育施設が9割を超えています。※少し前まで10割だと思っていました
なぜかと言うと、弊社の特徴のひとつである、「直接販売をしない」+「自社で営業活動をしない」という方針。
加えて、自分たちからの発信は何もしていないという作戦。(当時はホームページも機能してません)
#売れてるのが奇跡
どのようにして販売しているのかは後日お話するとして、
これによって何が起きるのかというと、エンドユーザー、つまり現場の方々との接点がなく、巧技台を「どんな方」が「どんな場所」で使っているのか分かっていないということ。
残りの1割弱、実は幼稚園や保育園以外でも巧技台が使われているということをほぼ知らなかったんですね。(というかあまり気に留めていなかったようです)
出荷履歴を調べてみると、保育施設以外の、病院や療育センターなどでの使用事例がちゃんとでてきました。
そしてどんな風に使っているのかが気になったので、当時始めたてであった弊社のTwitterアカウントを駆使し、すでに巧技台を使ってくれていそうな方々や医療関係者の方々をフォローしたり、ダメもとで巧技台の発信をしてみました。
すると、当初の目的とは違ったものの意外な反応をしてくださった方がたくさんいらっしゃいました。
当時の様子がこちらです。
約1年前ですね。理学療法士さん、小児整形外科医の先生、歯科医院、社会福祉士さんをはじめ、実際に巧技台を活用されている保育士さん、幼稚園の先生、などなどたくさんの方からも反応をいただけました。
そして実際にたくさんの方と実際にお会いしたりお話を伺う中で、子どもたちの未来の為に全力で向き合うみなさんの想いや熱意を肌で感じました。(みなさん本当に素敵な方です!!)
さらにどうやらこの巧技台、理学療法士(身体の専門家)さんたちと話し合いを重ねていく中で専門的に見ても子どもの運動に有効だということが段々と分かってきました。
各専門分野の方、今まで関わりのなかった医療関係の方が気に入ってくださり良いと言ってくださっている。
私自身のバックグラウンドからも、大げさではなくこの巧技台に育てられたため人一倍思い入れや愛着があります。
巧技台のことを褒められるのはやっぱり嬉しいですし、もっと役に立てたら良いな、活躍できる場所を広げてあげたいな。そんな想いを誰よりも持っています。
何か眠っている可能性があるかもしれないな。とにかく”何か”やってみよう。そんな思いが強くなるわけです。
そんな理由がこのリニューアルを思い立ったきっかけの1つです。
とはいえ今まで何十年と現状維持をしてきた会社。(これも本当にすごいことだと思いますが!)
会社も私も特別な知識はなく、その”何か”がまだはっきりとは見えません。
重い腰が上がっただけで、立ち上がったものの歩く方向も歩き方もまだまだ分かっていない、そんな感じです。
そんな中で私にとって大きな出会いがありました。
リニューアルのきっかけ②
それは医療えほんラボという活動をされている方々との出会いです。
現在はオオニシ体育株式会社としてこの活動を応援させてもらっています。
また続きの記事で詳しくご紹介させていただきますが、「プレパレーション」のツールとして絵本の開発をされている医療従事者の方々が立ち上げた団体さんです。
しかもメンバーのみなさまは有志で集まっているのです。
プレパレーションとは
”小児科の手術や治療に先立って、患者である子供に、画像や人形などを使って分かりよい説明をし(練習もさせ)、安心して臨める心構えに導くこと。”
引用.『Oxford Languages』
みなさんもぜひ一度下の記事をご覧いただきたいのですが、特に私の心に響いた一文をご紹介させてください。
“ただ、どうにかこの活動が、皆さんの優しさが、子どもの未来を紡ぐ活動となるように。”
この活動、つまり子どもの未来を紡ぐのは他ならぬ私たち大人の優しさなんだなと再認識しました。
この優しさを忘れてしまったらきっと”何も”できないなと、特に遊具という形で子どもに携わる私たちはそう思いました。
次第に、個人としてはもちろんですが、このオオニシ体育株式会社とこの遊具を上手く利用してもらうことで、医療業界の頑張っている子どもたちにも何か貢献できるのではないかと考えるようになりました。
こんな想いが、冒頭でご紹介しました「NPO法人チア・アート」さんと出会うきっかけとなり、そこで「ホスピタルアート」や「病院でのアート・プロジェクト」という言葉を知ることになりました。
これは医療施設にアートを導入することにより、その場所を使う方々がより過ごしやすい空間を作り出す活動のことです。
この使う方々というのは、患者さんだけでなくそこに関わる医療従事者の皆さんや患者さんのご家族も含まれます。
これを聞いて考えたのがこのリニューアルです。
・巧技台の特徴でもある、組換えが可能 ⇒ 色んなパターンの組み合わせがある ⇒ 色んなテーマや形で見ることができる。 ⇒ アート!?
・使う人(おとなも子どもも)が使いたい!わくわくする!時には見て楽しんだり、(視覚的に)組み替えて楽しんだりできる!と思える
ぼんやりとこんな新しい遊具があったら楽しいなと思いました。
さらに、この新しい巧技台が病院などの療養環境改善に貢献できる存在になれたらそんな嬉しいことはありません。
デザイン、アートの分野には、本来持っている巧技台の「運動・遊び」としての機能を広げる力があると思っています。
こんなことをきっかけに、今回のリニューアルを考えるまでにいたりました。というのが今回のお話です。
次回は、これをどうやって形にしていくのかといった実際のモノづくりプロセスのお話をお見せしたいと考えています。
少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです。
最後に
今回も未熟な私の文章を最後まで読んでくださり本当にありがとうございました。
結局長くなってしまいましたね。。。どうしても話が長くなってしまう節があるようで、まだまだ勉強不足です。笑
そして、Twitterなどでもコメントをくださった方、本当にありがとうございます!励みになっております!
そして、もし何かアドバイスやメッセージなどがありましたら伝えてくださると本当に嬉しいです!
これからもどうぞ応援よろしくお願いします!
オオニシ体育株式会社
渡邊 駿介
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?