誰かと一緒に、はむずかしい
人と生きていくのってむずかしいなと思います。
特に、バンドとか、部活とか。そういう、人によっては生活の中での比重が大きくなる類いのやつ。仲良しグループとかもそうかも。
たとえば、ひとつのバンドに『このバンドで売れて、それで食っていきたい』やつもいれば、『このバンドは自分の生活の隙間で楽しみたい』やつもいるとする。
このバンドで食っていきたいやつは、いっぱい練習したいし、名前も顔も出してリスクを負ってでも走りたい。隙間で楽しみたいやつは、それなりの練習時間で、他の趣味と同じくらいに、リスクを負わず、そのぬるさと心地よさを求めている。
その人の持つコミュニティの数だけ、熱をいれる場所がある。どこに、どれだけの熱をいれるかは、その人次第なのだ。どちらかが少しでも自分の方向にひっぱろうとすれば、ギリギリ保たれて結ばれていたものは、あたかも最初からほどけていたかのようにするすると離れていく。
気持ちや熱量が同じである状態か、もしくは、みんな違うことを認めている状態じゃないと前に進めないし、維持できない。
逆に、それさえ満たしていれば、チームはチームのままでいられると思う。
何かの契約が結ばれたわけでもない、ただ各々の意思で成り立っている関係性。なんで脆いんだろう。ふと気を抜いてしまえば、ほろほろとくずれていく。
めんどくさくて、儚くて、なんの保証もない。
それでもやっぱり、チームを作りたくなるのは、人と生きていきたくなるのは、ひとりじゃできないことがあるとわかっているからなのかもしれない。
ひとりでも楽しく生きていきたい。ひとりを楽しめる人間でありたいと思う反面、ひとと創り上げたものの、あの溢れるパワーは心を震わせてくれるし、ひとといると、予想外のあたらしい気持ちに出会える。
舞台も、建物も、本も、音楽も。
ひとりじゃ、できない。
同じ目標に向かって、少しの期間、儚いけど、だからこそ美しいチームを作って臨む。
その間だけは、同じ熱量で。もしくは、違いを受容しながら、一緒に船を漕いでいく。
いいなぁ、私も、ひとと船に乗りたい。