「フォールン・ブリッジ 橋渡し不可能な分断社会を生きるために」(御田寺圭著、徳間書店)
FIREサラリーマンみかん🍊さんのこの記事から購入して読ませていただいた一冊です。
みかん🍊さんは、たぶんとても人当たりが良くて、お優しい方だと思うのですが、一方で、非常に現実主義というか、色眼鏡なしにドライに見る目線も持っている方だと思います(あと、ポジショニングが非常に上手な方)。
超絶バランサーな方だと思っています。
こんな感じです。
もはや、これがみかん🍊に見えてきてしまいます。
そんなみかん🍊さんが紹介されている本は、いつも面白そうでつい買ってしまうのですが、その結果どんどん積読が増えています(笑)
御田寺圭さんの本をはじめて読ませていただきました。
※Amazonアソシエイトに加入しています。
「フォールン・ブリッジ」は、分断をテーマにした一冊でした。
「つながり」から「分断」へ 現実を直視する
本書は、18の小稿から成り立つ構成になっています。本書からは、きれいごとが通用しない「避けられない」リアルを、いろいろな側面から、読み取ることができます。
それは、一方では、皮肉と読み取ることもできるのかもしれません。
過去に我々が良かれと思ってやってきたことが、裏目に出たその負の側面にスポットライトを当てているようにも見えます。
それはある意味で不都合な現実であり、良かれと思って邁進してきた人々からすれば、目をそむけたくなる現実があります。
でも、目を背けてしまえば、不都合な現実は、不都合な現実のまま蔓延し、やがて重大な問題になって広がっていく。
本書は、そこに切り込んでいるように見えます。
この現実を直視する目線というのは、どういったところから可能になるのでしょうか。
これを、「幻想」との対比でちょっと考えてみます。
例えば、本書のなかには、東京だけが昭和99年で日本のどこよりも遅れた都市だ、という考察があります。
地方では、高齢化と人口減少が進行し、空き家・空きテナントが立ち並び、医療や介護だけが雇用を生み出す、閉塞感に満ちた「未来化」が進んでいるといいます。
一方で、若者を吸収している東京だけが、かろうじて「古き良き」昭和の商店街を維持している。だから、東京だけが日本のどこよりも遅れているというロジックです。
この論理は、「未来化」が希望に満ちているという「幻想」に対して、「未来」が閉塞感に満ちているという「現実」を直視しているからこそ出てくる考察ではないかと思います。
こういった眼をそむけたくなる現実を直視する目線は、現実的で、クリティカルな次の手を打つためには不可欠なのではと思いました。「幻想」におぼれてしまったままでは、ただ昔はよかったというだけの回顧主義に陥り、現実を打破することは極めて困難になる。
その一方でこうもいえると思います。「現実」を直視しているということは、諦めたというわけでもないということ。不都合な現実に絶望し、思考を放棄してしまえば、もはや「現実」を直視する必要も意味もなくなるからです。
だから、本書からは、「幻想」におぼれない姿勢と「現実」に絶望し諦めない姿勢の両面を見ることができるのではないかとおもいます。「現実」を直視して、「現実的」に可能な手立てを、「現実的」に考える。
だからこそ、「東京が日本でもっとも古い」という考察が可能になるような気がしています。
トレードオフは織り込み済みの行動
では、考察したうえで、どのような行動に移るのか。
一つ言えるのは、現実的に行動できる人は、「何かを得るということは、何かを捨てるということを自覚している」ということができるのではないかと思います。
みかんさんの記事だとこの辺りでしょうか。「トレードオフ」という言葉が出てきます。
我々は、失うことが怖いです。
今の状態から変わりたくても、失うことが怖いから、変われない。現状維持バイアスがかかってしまう。「幻想」におぼれてしまう。でもそれは、真綿でゆっくりと絞め殺されるように、ユデガエル状態になってしまうことを意味するのかもしれません。
現実を直視できる人は、何を失うかを冷静に分析・判定できる。何も考えずに、無鉄砲にただ変わろうとチャレンジするわけではありません。まず、何を失うのか、それとトレードオフで何を得ることができるのかをまさに直視し、そのうえでアクションに移すことができる。
また、現実を直視できる人は、その分析・判定そのものに限界があることも直視できています。だから、分析・判定の限界すらも直視し、想定できるリスクを踏まえたうえで、アクションに移すことができる。
みかん🍊さんは、会社を辞めることを決断しましたが、思考プロセスは、この点において、とても一貫していると思います。その思考過程をリアルタイムで見ることができていることはとても深い学びだと思っています。
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そんな中、みかん🍊さんが新たな試みを始めたようです!
ココナラを始めたそうです!すごい行動力!
ここまで書いてめっちゃ宣伝クサくなってるなあ、やっぱり消そうかなと悩みだしています(笑)
まあ、いっか。
あと、実は私もやってみたい(笑)さらっと応募しようかと思ったけど、ちょっと恥ずかしくなってきて迷っています(笑)
そんなわけで、私は、まだまだ変化をおそれて、幻想におぼれてしまいそうです。現実を直視する目線が足りませんね💦
みなさんはゆでガエル状態にならないよう現実を直視して、アクションを起こしてみてはいかがでしょうか。
ということで、本書を読んで現実を直視する目線を手に入れてみて、「今日一日を最高の一日に」