お祭りは、地域と神様をつなぐ大切な絆
神社では、毎朝行われる「日供祭」にはじまり、年間を通してたくさんの祭りを斎行しています。
その中でも年に一度の最も大きく大切なお祭りが、「大祭」です。
当社では5月の第3週末に斎行しています。
◆一年に一度の大切な「大祭」
大祭は、目には見えない神様への日ごろの感謝の心と、街と人を育んでいく大切な絆を目に見える形に変え、一年に一度神様に特別な感謝を捧げるために行う神事。
神様と人と地域を結ぶ大切な役割を持つものです。
現在は忌み慎む期間という意識の高い「厄年」も、人生の上で変化の大きい年というだけでなく、「役年」から転じたお祭りなどで神様にお仕えする、大事な役目を任される「ハレの年」でもあり、この年齢を迎えることは、地域社会においては“一定の責任を伴う立場”となることを意味しました。
「祭りは人をつくる」という言葉がありますが、地域を挙げての祭りを心の通うお祭りにと、多くの心をまとめ上げる「役」に就いた人間は、多くの人との交流の中で磨き上げられます。
それは、代々上役達が経験して次の世代に引き継がれていく大切な心のバトン。
地域社会の発展の基がそこにはあるのです。
◆心を合わせて舁ぐ、神輿のはなし
三年に一度の本祭では、神社が有する巨大な「本社神輿」の渡御があり、200人以上の担ぎ手が神輿を囲み、前後100人を超える列立てを組んで渡御を行います。
神輿での渡御は、神様を舁いで直に街の隅々までご覧いただくという理由もありますが、同時に物理的に本殿に入れない一部の代表に限られてしまう祭礼に工夫を凝らし、参列・奉仕の人数を最大化したものでもあります。
神輿の渡御は単に大勢で神輿を舁ぐだけではなく、神酒所の設えやお清めに始まり、子供たちのお囃子の舞台を作り、また多くの担ぎ手を迎え入れる様々な用意や、終わった後の食事の準備まで…と本当に多くの人が関わる、まさに街を挙げての一大行事です。
だからこそ神輿は、そういった人たちの想いまでを背負って、大勢で心を合わせて舁ぐもの。
神様の御神霊が鎮まった神輿は、直接的にも間接的にもそういった氏子崇敬者の真心に舁がれて氏子地域を練り歩き、町の隅々までご覧いただきます。
◆令和4年の大祭について
土曜日の大祭式では、神職と共に崇敬団体並びに入谷17ヶ町の代表の参列をもって、真心を込めて祭礼を執り行います。
祭礼では、海川山野の豪華なお供え物を饗し、特別な威儀物を設え、さらに特別な祝詞や氏子の代表からも祭詞を奏上して感謝を表し、式中にも雅楽の演奏を入れるなど、考えうる最上の方法で神様をもてなし様々な形で感謝の真と畏敬の念を表現します。
今年もコロナ禍中の斎行となるため、祭礼の目玉ともなる御神輿の渡御や、老若男女の賑わいを生む神社付近の露店なども中止となります。
今年も肩を合わせて御神輿を舁ぐ、“いつものお祭り”とはなりませんが、大切なのは深く真摯に向き合い、清らかな気持ちに立ち返ること。
目には見えない神様への感謝の心を、工夫を凝らして最大限に見せるのが祭りの本義です。
本来神輿の渡御日である祭礼週の日曜日には、本社神輿を南鳥居前に据えて各奉仕団体及び氏子17ヶ町の代表が集い、各町の半纏や祭り装束にて来年の神幸祭の無事の挙行と感染症の早期終息を祈る祈願祭が大々的に執行されます。
どなたでもご参列が可能ですので、是非とも足をお運びいただき、心を合わせてお参りを頂ければ幸いです。
◆お祭りに参加する
お祭りへの参加の仕方はさまざまです。
一般の方にも大祭に際しての特別祈祷という形で、この特別なお参りのご案内をさせて頂いておりますので、是非この機会にご昇殿ください。
また当社では大祭期間、南鳥居前に提灯櫓を建て設けて献灯提灯にて御前を明るく照らしておりますが、こちらにご奉賛頂くことでもご参加の御印ともなります。
家内安全・商売繁盛・疫病退散など各々の祈願を込められた灯りを照らし、大神様のご神徳・ご加護を戴かれ益々ご発展なさいますようにご祈念申し上げます。
献灯は氏子・崇敬者の皆様から広く申し込みを受付けております。詳しくは社務所までお問い合わせください。
また、日曜日の午後三時から南鳥居前で斎行されます「神幸祭斎行祈願 並びに 感染症終息祈願祭」はどなたでもご参列が可能です。
是非とも足をお運びいただき、心を合わせてお参りを頂ければ幸いです。