どこやねん、ニュルブルクリンク
ニュルブルクリンク24時間耐久、車の性能等をブラッシュアップするための方法のひとつ。
ただし、今回のこの記事は全くそれとは関係なく、わざわざ自身の自転車を用いてそのコースを走るというもので"決して"自身の自転車のブラッシュアップ等のためではなく、純粋なバカ共による24時間耐久レースです。
ニュルブルクリンク??
ニュルブルクリンク、ドイツに渡航したことのある人ならニュルンベルクと間違えがちですが、ニュルブルクという街にある、Ring(輪っか状のコース)という単語の組み合わせという、案外あっさりとしたネーミングです。
ちなみに私自身も一年前はニュルブルクリンク(Nürburgring )はニュルンベルク(Nürnberg )にあるもんだと勘違いしていました。
正直、この上の文を書いてる時点で混乱するほど似てるから、間違えるのは仕方ないです、きっと。
場所としてはKoblenzの近く、最寄駅はMonreal駅という片面単線のThe田舎の駅です。尚、ニュルブルクリンクまでは最寄りの駅から22kmほどあります。
今回自分はこのMorealからニュルブルクリンクまで自転車で自走することに。
二泊三日でのチャレンジということもあり、その分の荷物等もあり、最小限の荷物で1時間半ほど暑い中走らないといけないという制約を抱えながらの20kmライドはなんとも微妙なものです。
ただ今回は、小雨がポツポツと降ったりと、涼しげだったりとそんなに苦では無く、取り越し苦労に終わりました。ラッキ~
ニュルブルクリンクに移動
自分の住んでいる土地からひとまずKoblenz Hbfへ。
そこからAndernachでMoreal行きの電車(気動車ですが……)へと乗り換え。
折り返しの電車が30分遅れ
これはDB(ドイツ鉄道)のいつものことですが、基本的に遅れます。日常茶飯事なため、特にどうたってないと思うことも増えてきましたが、ただ今回の日程では乗り換えの時間等もあるため、少しため息がでます。
乗り換えの電車が待ってくれていると思いたいところではありますが、偶に普通に出発している電車もいるため期待は出来ません。
ただ、地方路線など1時間に一本の電車とかは割と待ってくれるため、それに期待することにして、Andernachに到着。
今回は乗り継ぎを持っていてくれており、速歩きで手を振りながら電車の方へ向かいます。
少し近づいてから気づきます。
あれ?行き先表示違くね????
そう、実は間違ってホームの先に待機してる別の電車に向かっていました。
お目当ての電車は後ろに居るというオチです。
もう、気づいたときはそれはそれは焦って、自転車に乗ってMonreal行の電車のドアまで向かいました。ほんとにギリギリでした。
そんなこんなで、無事に乗らたということで完全に安心しながら、気動車の絶妙な揺れと煩さに包まれながら、田舎の単線をゆっくりと走ります。少しうつうつとし始めたこと突然運転手からのアナウンスが流れます。
この電車はMeiyerで運転終了となります
?!?!?!?!?!?!?!?!?
どうでも良いですが、個人的にDB三種の神器と唱えているものがありまして、いわゆるドイツ鉄道あるあるですね。
一つはポイントミス、次に故障、最後に運転打ち切り(運休)というものがあります。
2つ目は電車の扉や電車の中のトイレが使えず、このトイレは使えません!他の号車に行ってください!みたいな表示がされます。わりとよく出会いますが、たまにトイレが一つしかなくて、他の車両とは幌(列車同士を繋ぐ通路)が繋がっていないというもはやイジメの様なこともありますが……
さて、3つ目の運休や運転打ち切りは割とよくあります(とりわけ近郊電車とかが多いけど)。もちろん有効な切符さえあれば他の電車に振替されるなどの措置もあります、一応ね?……
ただやはり一番面倒なのは運転打ち切りです。
これは本当に変な駅で降ろされる。本当に辺鄙なところだったり、残り二駅なのに……みたいなのもあり、なんとも言えない感じになります。
もちろん、中央駅に入れると遅延が他の電車に伝播するという理由があるのでわかるものの、やはりやるせないものは残ります。
そして今回も例に漏れず、目的地の一個前の駅のMeyer駅で降ろされます。
いや、どこやねん……
ただただその言葉に尽きます。
今回は諦めて、MeiyerからMonrealを経由してニュルブルクリンクへ目指します。
おかげで余計に100mも登らされる羽目になるという……
そんな御託はやめて、諦めて足を回して漕ぐしかありません。
ダラダラと文句を垂らしながら丘を登ったり、地図を確認したりとして、あと5kmという地点まで到達。
やはり、黄色看板にニュルブルクリングと表示されるだけで、こう何か心踊るものがあり、同時に気分が楽になるというもの。
本当に田舎の景色です。見てもわかるように、ニュルは田舎にあるサーキットです。ちらほら自転車で行く方も見かけたりするものの、基本的に車で行くことが推奨です、ほんと。
ちなみに帰路の際に、自転車で現地から帰る人にタイムを聞いたところ、一周50分を6回走るという猛者でした。(後にどのくらいすごいのかの指標が分かるかと……)
やはり速い人は自走もどうってことも無いんですかね
ニュルブルリンク到着!!
やっと到着。明日から24H耐久が始まるため、軽い強度で走っているものの、やはりレース前に走るものではないと感じます。ちゃんと疲れました。
Anmeldung(番号を受け取り)へ
1人から合計8人グループでの参加などがあり、今回は4人チームでの参加。Team639ではこの4人チームを3グループ作り、合計12人での参加とわりかし大所帯とも言えます。
今回はこの12人がお互いに助け合う形でテントや食事を持ち合います。今回は初参加ということもあり、かなりの部分をチームの方々に助けて貰い、どうにかスタートラインに立った形となります。本当に感謝の言葉しかないです。
さて、本題に戻ると、このAnmeldungではこの各チームの番号、レーザー探知の計測バトンを受け取ります。
もちろん他のレースなどの様に、ブースなどもあります。
ここでしか買えないもの等もあるにはありますが、基本的にはネットで買えるものが大半です。ただSKSの自転車グッズ等は大値引きされてはいますが、帰路も電車ということもあり荷物を増やすことは自分の首を締めるも同然のため、今回は財布の紐は緩ませることは許されません。(車ならなんてこともありませんが……)
出店にはSKS他、Leezeなどドイツ語圏のメーカーも
このように、ホイールのメーカーも出店しています。
他にもMavicのブースもありましたが、個人的にこのLeezeというホイールメーカーが気になっています。
というのもこのメーカーはミュンスターという街を拠点にしています。
自身が留学をした土地がミュンスターということもあり、やはりそういう思い入れのある土地でもあるため、現在検討を加速させています。値段はそんなに高くはなく、ハブ、リム共にかなり良い印象をもっています。
他にもMavicブース内にARC8のロードがあるなどなかなかに自分の見てみたかった自転車やホイールと出会うことができたため満足。
もうそろそろ日が沈む
もう日が傾いてきた、と思い時計を見ると21時。
日本とは違いヨーロッパは日の出る時間が異様に長く、22時ごろにやっと暗くなります。
実を言うと、ニュルについたのは19時で、日本だと夕陽が沈みかけ、少し空も暗くなってきたくらいで、丁度夏のドイツの21時と同じくらいの明るさだと思います。
そう考えると、この自走でニュルに向かうのは、この日の長さには助けられているとも言える気がします。
こんな感じで他の参加者もテントなどで日を明かしますが、キャンピングカーや10tトラックで来るなど、何が何だか分からなくなります。10tトラックをみた時は公式の人々かと思ったものの、実はただの一般参加者とのこと。
他にも完全にキャンプグッズでソーセージを焼いたり、道路脇で踊ってる人がいたりと自転車イベントとはかけ離れた光景を目の当たりにします。
ほんとこのイベントなんなんだろう?……
純粋な疑問が浮かびます。
今回はいつものKさんとKeimasaさんを含めた3人とteam639のふっちーさんの4人で参加。チームSというこのメンツの中で一番記録を取りに行くグループとなります。
正直このチームでは迷惑をかける気しかしないが、諦めてがむしゃらに足を回すという選択肢しか存在しない脳筋チームと事前に宣言されており、不安しかありません。
今夜は前日ということもあり、少し元気に食卓を囲んで騒ぎます。
本当に最後の晩餐とはこのことか……と、この記事を書きながら思うほど、この夜の笑顔と笑い声ほど純粋なものはありませんでした。
というのも明日の夜はこんなに和気藹々としておらず、目が死んだ人が増えており、笑顔は引き攣り、笑い声は掠れていきます。
もちろん自分もその一員であり、恐らく一番ニュルの瘴気に蝕まれていたと感じるほど。
この動画で後半自分が映ってないのは、元気を失ったというのも一つの理由です……
そんなこんなで日を明かす
早朝の気温は15度前後となかなかに寒く、6時に起きてしまいました。
起きたら起きたで、ここぞとばかりに道路上で腕立て伏せをする人がいたり、道路の真ん中で歯磨きをしたりする人など、ニュルブルクリンク上で絶対にできないことを体現しようとする人間がいました。
なんなんだこいつら……
12時頃出走スタートということで、それまでに少し準備する時間もあり、アップがてら解放されている短縮コースを走ることに。
この時点でコースはやはり状態は良く、カーブの時はかなり傾けても大丈夫そうと直感、もちろん本コースはまだ走っていないため、油断は禁物ですが……
ただ、走っているとやはり車のF1やTTの聖地なだけあって、事あるごとにタイヤのスリップ痕やタイヤのゴム片が見受けられるます。こういうものを見るとひしひしとニュルブルクリンクを走っていることを再認識します。
さて、今回はここまで。
次回はニュルブルクリンク24時間耐久の本番。
毎年負傷者や死者を排出するこのレースというものだけあり、緊張感を保ちながら目標7周を目指して走ることに。
では、また次回に。