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小野寺ひかりの短編小説

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オリジナルで書いた短編小説をまとめています。
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#小野寺ひかり

【掌編】小野寺ひかり『桃と花火』

セミの声がつんざく。くさのにおいが濃ゆい、夏の夜のこと。 あにの右手では、ゆらゆらと小さ…

【小説】小野寺ひかり『白い花と雨のこと』

 2人で借りたアパートには庭が付いていて、それが決め手になった。花でも育てよう、部屋の中…

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【小説】小野寺ひかり『片付けられない殺し屋』文学フリマ特別号

「文芸誌Sugomori」は、5月29日開催の「第34回文学フリマ@東京」に出店します。新刊「文芸誌S…

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掌編小説『さくら満開』小野寺ひかり

『さくら満開』 教室まで続く長い廊下。忘れ物をした私は、友人を校門で待たせたまま、急い…

【全文無料】掌編小説『5月』小野寺ひかり

Sugomori5月の特集として、季節の掌編小説をお届けします。 今月のテーマは『若葉』。書き手は…

小野寺ひかり『しあわせな結婚』

「なんだ、俺、中島さんに同情されてたんですね」 同僚の園田は照れくさそうに笑う。 “同情”…

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文学フリマ特別号・小野寺ひかり『とある殺人』

11月23日開催する文学フリマに【クー36】「Sugomori」として出店。 物書きメンバーが【隣人】をテーマに執筆した、新刊「文芸誌Sugomori vol.2」(800円)を発売します。vol.1から半年経て、物書きメンバーに起きた生活の変化をつづった書き下ろしエッセイ【すごもりのおとも】とともにお楽しみに。今回は特別記事として、少しだけ先読みできます。書き手は小野寺ひかりさんです。 隣の部屋に住む住民が殺された。 ――のをテレビの報道で知った。24インチのモニターに映

¥200

小野寺ひかり『眠いけど食べたい』

小野寺ひかりの文芸誌Sugomoriへの寄稿作品はこちら。『眠いけど食べたい』★月間PV1位『言え…

200

短編小説『坂道の途中で』小野寺ひかり

『坂道の途中で』 夕暮れの坂道をゆっくりと登っていく。伸びた影は今にもどこかへ飛んで行っ…

200

小野寺 ひかり『言えない肝心なこと』

小野寺ひかりの文芸誌Sugomoriへの寄稿作品はこちら。『眠いけど食べたい』★月間PV1位『言え…

200

小野寺ひかり『生者でも死人でもなく』

――本当に人、なのか。 どうやら迷い込んだ者ではないらしかった。体に傷を負っているのか、…

200

小野寺ひかり『りんごの祈り』

小野寺ひかりの文芸誌Sugomoriへの寄稿作品はこちら。『眠いけど食べたい』★月間PV1位『言え…

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【全文無料】小説「冬の夜とワイン」小野寺ひかり

 山内聡士にとって、初めて飲んだワインはトラウマでもある。ヨーロッパ旅行で訪れたときの本…

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【全文無料】『桜掌小説』小野寺ひかり

Sugomori4月号の特集は、おなじみになってきました季節の掌編小説です! 今月のテーマは桜。 掌編「桜」 廃校に残された桜が今年も咲いた。 3月の半ばを過ぎた頃に咲き始め 幾度かの雨と風にもさらされて、 誰かが見守っていたわけではないのに 4月になっても咲いていた。 最後に3人の生徒を見送ったのは 十数年も前のことだという。 ダム湖には村と集落の記憶が沈んでいる。 校舎の時計は 8時34分で止まったまま はじめてみた時と変わらない。 今きみたちは大人になってし