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菌活・腸活の危険性④:菌活や腸活が危険になる人の特徴

前回は、菌活・腸活は有害の可能性があるということをお伝えしました。

今回は、菌活や腸活が危険になる人の特徴を紹介します。

菌活や腸活が危険になる人の特徴

  • 食べるとお腹が張る(膨満感がある)

  • おならが出やすい

  • 下痢を起こしやすい

  • 便秘を起こしやすい

  • 時間をかけていきまないと便が出ない

  • 頭にモヤがかかったようなスッキリとしない状態になることがある(ブレインフォグ)

  • 特定の食べ物でお腹が痛くなる・下す

  • 黄色や黄緑色の痰や鼻水が出やすい

  • ドライマウスである

  • 現在がんに罹患している

  • 糖尿病など代謝性疾患に罹患している

  • 胃の調子が悪くなりやすい

  • 鉄強化食品や鉄剤を摂っている

  • 消化に悪いものをよく食べる(食物繊維など)

  • 植物油(PUFA)の摂取が多い

  • お酒をよく飲む

  • 甲状腺機能が低下している(亢進症も含む)

  • LDLコレステロールが低い

  • 肝臓が良くない

  • 呼吸器系にトラブルを抱えやすい

  • お腹が空いてないのに食べてしまうことが多い

  • 食べるスピードが早い

  • 生活にストレスが多い(仕事、人間関係、騒音、環境など)

数え上げればキリがありません。おそらくまだまだあるでしょう。
このような自覚症状がある場合、菌活や腸活を始めたり継続すると危険となる可能性があります。
これらの事から総合的に判断しないと、健康状態は計り知れません。


僕個人的には、発酵食品は保存食という位置付けです。
元々は、加工しないと食べられないものを発酵させることで食べられるようにしたり、
塩が少ない地域での貴重な塩分補給源となったりしています。

そのため、調味料などで使う分には問題ないと思いますが、
製剤や乳酸菌サプリメントなどの、わざわざ菌を大量に含んだものを食べる必要があるのだろうかと思います。


なお、診断についてはコメントをいただいても判断しかねますので、ご了承ください。
あなた全体を見ないと判断できません。

まとめ

このシリーズの記事のまとめとして、現在の感染症の考え方である、細菌が体内にいることで病気を引き起こすという『細菌説(病原体仮説:germ theory)』を提唱したルイ・パスツールの死の間際に話した言葉を紹介します。[1]

“Bechamp was right- The microbe is nothing. The terrain is everything”
「べシャンは正しかった。微生物(細菌)は何もしない。地形こそがすべてである」

アントワーヌ・べシャンは、感染症になるかどうかは細菌そのものではなく、宿主の健康状態によって決まるということを提唱し証明した人物です。[2][3]
ここでいう地形とは、英語でterrainといいます。宿主の状態を地形や領地に喩えてこう話しました。
この理論は、terrain theoryと呼ばれています。

べシャンとパスツールは対立していたことでも有名です。
パスツールには皇帝ナポレオン3世を含む政治的コネクションがあり、パスツールの理論が世の中に受け入れられたのは、当時の科学と政治に合致していたことが大きな理由だったとされています。


パスツールの細菌説が主流となった結果、医学は寄生虫、細菌、その他の侵入性の微生物を選択的に殺したり、固定化したりするという目的で、薬という合成製品を開発し、ワクチンを開発することに成功しました。


一方のべシャンはその後歴史に葬られましたが、べシャンの考えを裏付けるものがいくつかあります。

全世界では結核菌が体内にいる人が全世界人口の3分の1いるとされていますが、結核を発症していない人が20億人以上います。[4]
パスツールのいうとおり、体内に細菌がいるだけで病気が発症するならば、すでに大勢の人が結核を発症していることになります。


フランスで水痘(水ぼうそう)になった子供への調査では、103人のうち、3人が死亡していました。
その3人は、長期にわたってステロイド剤を服用していた9人のうちの3人でした。他の94人は何事もなく回復しました。[5]


ステロイド剤は別名を免疫抑制剤とも言われ、免疫の働きをストップさせます。
つまり、体内の健康状態によって死亡するはずのない病気で亡くなってしまいました。
ちなみに、フランスでは水痘の予防接種はされていません。


僕は小さい頃に水痘の予防接種をしましたが、19歳になって水痘になりました。
パスツールの理論によって予防接種で予防できるのであれば水痘に罹らないはずですが、実際に発症しました。その頃の僕は、社会人になったストレスで25kgも激やせした時期になります。
(詳しくは説明しませんが、現代医学で『抗体』というものが身体にできる事が病気の予防につながるわけではありません。抗体は健康状態が低下した状態で作られやすくなります。)


これまでにお伝えしたように、善玉菌と呼ばれる細菌が体内にいれば健康になるわけではなく、悪玉菌が体内にいるからといって、病気になるわけでもありません。
宿主の健康状態によって、良くも悪くもなるということがお分かりになるのではないでしょうか。
そう考えると、体内にむやみに細菌を取り入れるのが危険だと分かってくると思います。


僕の経験では、すごく元気で体調がいい時は、牛乳をがぶ飲みしてもお腹を壊すことがありません。
しかし、仕事などでストレスが溜まって、胃腸の動きが悪くなってくると、たった少しの牛乳の量で、お腹が張ったり、下痢をしてお腹を壊してしまいます。
未消化の食べ物は、腸内細菌たちのエサになります。胃の調子が良くないと、未消化のまま腸へと進むからです。
どうやら牛乳に含まれる乳糖だけの問題ではなさそうです。
(世界的に見ても乳糖不耐性があるのに牛乳を飲んでいる国は多い)


また、ストレスによって腸内細菌たちの構成や構造が変化してしまうことが確認されています。[6]


どんなに健康に良いと言われるものでも、宿主の健康状態によって良し悪しが変わってくると言えるでしょう。


多くの事象や物事は繋がっています。一部は全部であり、全部は一部でもあります。
見えているものは結果であり、原因でも要因でもありません。そこを見極めて理解することが大切です。

“親として、医者として、そして子供たちの世話人としての私たちの仕事は、たいていの場合、観察し、必要なときだけ、健全な結論へとプロセスを導く手助けをすることである。 しかし、たいていの場合、私たちはそうしない。 私たちは介入する。 管理する。 コントロールしようとする。 何かをすることで、何でもすることで、一時的に私たちの恐怖心を和らげる(そしてその過程で巨大産業を生み出す)。
しかし、その結果は、医療化した社会は、病人への対応に莫大な資源を割かなければならなくなる。 私たちの世界で薬の量が増えれば増えるほど、病気の量も増える。ある基本的な治療レベルを超えて、より多くの薬を使うことは、個人の自由と自律性を損なうだけでなく、社会の健康をも悪化させる。"[7]

[7]Thomas Cowan, Vaccines, Autoimmunity, and the Changing Nature of Childhood Illness. White River Junction, VT: Chelsea Green Publishing;
2018, p. 137.

しかし、現在の医学は原因を追求することを嫌い、薬剤で抑える対症療法しか出来ません。[8]
にもかかわらず、細菌の都合の良い面を善玉と決めつけて、プロバイオティクスを摂取させ、一方で悪玉と決めつけているものを除菌や殺菌する。
矛盾している行為を繰り返しています。


その結果、プロバイオティクスで病気になったり、

抗生物質耐性菌の存在に脅かされています。[9]


治療家でも、全体を見ることができる人はごくわずかでしょう。僕もまだまだ見聞や勉強が足りません。
僕が文献を多数引用するのは、多くの事象を見極めて判断するためです。
こうしてようやく見えてくるものがあります。


どうして該当すると菌活や腸活が危険になるのかについては、身体の仕組みから勉強していただけると、少しずつ理解できるようになっていくと思います。
そのヒントをこれからもブログで発信していきます。

【参考文献】

[1] Host-Directed Therapies for Tackling Multi-Drug Resistant Tuberculosis: Learning From the Pasteur-Bechamp Debates.
Clin Infect Dis . 2015 Nov 1;61(9):1432-8.

[2]Honoring Antoine Béchamp: The gentle giant of science & medicine.
https://oawhealth.com/article/honoring-antoine-bechamp-the-gentle-giant-of-science-medicine/

[3]ワクチンの真実
崎谷博征 著

[4] Viewpoint: Scientific dogmas, paradoxes and mysteries of latent Mycobacterium tuberculosis infection.
Trop Med Int Health . 2011 Jan;16(1):79-83.

[5][Complications of varicella as a function of the terrain. Apropos of 103 cases]
Pediatrie . 1985 Mar;40(2):99-106.

[6]Exposure to a social stressor alters the structure of the intestinal microbiota: implications for stressor-induced immunomodulation.
Brain Behav Immun . 2011 Mar;25(3):397-407.

[7]Thomas Cowan, Vaccines, Autoimmunity, and the Changing Nature of Childhood Illness. White River Junction, VT: Chelsea Green Publishing;
2018, p. 137.

[8] Why Louis Pasteur’s germ theory is a curse.
http://whale.to/w/appleton1.html

[9] Antibiotic resistance in the environment.
Nat Rev Microbiol . 2022 May;20(5):257-269.

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