とろみのヒミツ
「食支援を学ぶシリーズ」とろみのひみつ、をご覧いただきありがとうございます。
とろみのヒミツ、楽しんでみてください♪
とろみ剤とはなにか?
食べ物やのみものに混ぜることで適度なとろみをつけて食べ物を飲み込みやすくするための粉末状の食品のことです。
とろみ剤の種類
大きく分けると第1〜第3世代までに分けられます。
世代が新しいほど、溶けやすく、ダマになりにくく、味が変わりにくいというのが特徴です。
ところがドラッグストアやスーパーに置いてあるとろみ剤にはその商品がどの世代のものなのか、わかりやすく記載されていないため、見分けることが難しくなっています。
ゲル化剤と特殊ゲル化剤
とろみ剤の仲間というか似たような役割のものにゲル化剤というものがあります。こちらはとろみ剤と違ってもう少し固めるようなものだと思ってもらえればいいです。
食材や用途に応じて必要な固さなども変わってくるため使い分けが必要になってきます。今回はとろみの一歩ということでゲル化剤については割愛しますが。このようなものがあるということを知っておくとよいでしょう。
とろみ剤の基本的な使い方
こちらは100mlのお茶に適量のとろみ剤を入れて混ぜることでとろみをつけています。
とろみをつけるために混ぜるものは写真にもあるようなスプーン等を使って30秒以上しっかりとかき混ぜることが重要です。
次にかき混ぜ方のコツですが、スプーン等で回転させながら混ぜてしまうと、とろみ剤がコップ中央に集まることでダマになりやすくなります。
これを防ぐためにとろみ剤をかき混ぜる際には縦にかき混ぜるようにして混ぜるのがコツです。
かき混ぜたあとは、とろみが安定するまで数分置きましょう。
とろみの濃さの調整法
食べ物や飲み物にとろみをつけてみたものの、とろみが薄いな、ということも起こります。この際に追加で粉のとろみ剤を入れてしまうと混ざりきらずにダマになってしまう可能性が上がってしまいます。ダマになると味が損なわれるだけでなく、十分に溶けることができていないことで必要なとろみがつかないことにもなるので注意が必要です。
では薄い時にはどうすればいいのでしょうか。
実はもう一つ濃いとろみを作りそれを混ぜることでとろみの調整を行います。この方法であればダマになることもなくとろみの調整を行うことが可能です。
では逆にとろみが濃すぎるな、という時はどうすべきか。
これはとろみのついていないお茶などを混ぜることで調整できます。こちらは追加でとろみ剤を入れたりするわけではないためダマになったりする心配もいりません。
とろみがつきにくいものとその対応
牛乳のようにタンパク質の多いものやオレンジジュースのように酸味の強いものはとろみ剤がなかなか効果を発揮してくれません。
このようなものにとろみをつけるにはどのようにすればいいのでしょうか。その方法についてこれから解説します。
まず普通にとろみ剤を入れて30秒以上かき混ぜます。お茶などであれば30秒混ぜるとある程度とろみがつきますが、牛乳やオレンジジュースではほとんどとろみがつく気配すら起こりません。
その状態で数分置きます。その後とろみの状態を確認してもそこまでとろみがついていないのが確認できます。
二度混ぜ法でとろみをつける
とろみを入れてかき混ぜて数分が経過した牛乳やオレンジジュース、とろみがつく気配すら怪しいのですが、そこから再度力強くかき混ぜてみます。
するとどうでしょう!牛乳やオレンジジュースにもとろみがつきます。
このように一度かき混ぜたあと、数分置いて再度かき混ぜることを二度混ぜ法と呼びます。牛乳やオレンジジュースなどとろみがつきにくい素材にとろみをつける際にはこれを覚えておくと良いでしょう。
とろみの濃度の決め方
とろみの濃度は一概にこれがいいと決めることは出来ません。個人によって必要な濃度が異なることがその理由です。
どんな食材でむせるのか、どんな食材ならむせないのか、そしてむせないものがあるのであれば、それに近い濃度をとろみ剤でつけることでむせずに食べられる、飲める可能性が高くなります。
とろみのひみつ、まとめになります。
とろみ剤の種類や特徴、そして基本的な使い方。難しくはありませんが、これらをひとつずつ把握して対応するのは骨が折れる作業です。
同時にこれだけわかっていると専門家からアドバイスをもらった際にも適切に運用することが可能になってきます。
とろみひとつでもこれだけいろいろなことを意識しながら使う必要があります。もしわからないことやどうすればいいか分からないという場合はお近くの専門家へご相談ください。
専門家にかかる前の10のステップ
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
今回学んでいただいた「とろみのひみつ」は実は食支援に関して、専門家にかかる前の10のステップのひとつです。
今回のとろみとは別にあと9つのステップがあります。
それら全てを学ぶことが出来るのが「誤嚥ケア検定」
誤嚥ケア検定認定講座では、以下の10ステップを学ぶことで、検定を受けることができます。
是非、誤嚥ケア検定を受講して、食支援の基本を学んでみませんか??
誤嚥ケア検定 認定講座
さて、突然ですが日本人の死因の上位が何かご存じですか?
がん、心疾患、脳血管疾患の3つ、これらを三大疾病と呼んだりします。保険会社のCMなどでも見たことがあるという方が多いのではないでしょうか。
ところがこの三大疾病、最近順位が入れ替わりそうになっています。
4位につけている肺炎がじわりじわりとその存在感を高くしているのがその理由です。高齢化率の高まりとともに最期、肺炎で亡くなる方が増えているのがその理由です。
そしてその肺炎の原因として非常に多いのが「誤嚥」と呼ばれるものになります。
誤嚥とはなにか?
若い人でも一度や二度は飲み物を飲み損ねてむせ込んだりしたことがあるかと思います。あれは食べ物や飲み物が肺に入ってしまってそれを排出するために起こる反応です。
誤嚥とは食べ物や飲み物が食道ではなく気管に入り、それをうまく排出できない状態だと思ってください。
つまり肺に空気以外のものが入ってしまうわけです。
固形物なら窒息してしまいますし、液体でも肺の中に入ってしまうと、その後肺炎の原因になってしまいます。
そうです。このようにして誤嚥がきっかけで肺炎になってしまう方というのが非常に多いのです。
医療的ケア児と呼ばれる小さな子から、呼吸器系の機能低下が起こっている高齢者などは誤嚥しやすくそこから肺炎になってしまうことも少なくありません。
ひとたび誤嚥して肺炎になってしまうとしばらく食事もとることが出来なくなることでさらに体力が低下します。
体力が低下しているのでまた誤嚥しやすくなってまた肺炎を起こして、という悪循環に入る方が少なくありません。
つまり誤嚥は肺炎の原因のひとつであり、肺炎になることで命の危険にさらされてしまう方が少なくないのです。
誤嚥を防ぐことが出来れば肺炎になる人の数を減らせるわけですが、誤嚥は様々なことが原因と誘因で起こります。
これさえやっておけば誤嚥は起こらない、という魔法のような方法はありません。
なぜなら、細かく非常に小さなことの積み重ねで誤嚥しにくい環境をつくり、誤嚥しにくい介助をして、誤嚥しにくい食べ方や飲み込みをすることではじめて防ぐことができるからです。
ひとつずつは小さなことの積み重ねです。
ですが、それらを全て専門家に聞いて・確認して・理解して・実施するとなるとかなり大変な作業になります。
もちろん一人一人状態や状況が異なるので個別に対応する必要があることは言うまでもありません。同時にその基礎となる部分をちょっと知っておくだけでも実は専門家からのアドバイスの再現度が高くなることで誤嚥を防ぐことが出来るばかりではなく、食事をより楽しめるようになるのも事実なのです。
誤嚥ケア検定はじめます
オンライン臨床の代表理事長岡は、言語聴覚士として10年以上もの間、在宅の現場で多くの方の「だんらん」をサポートしてきました。
その中には誤嚥を予防したり、誤嚥を繰り返してしまう方に対する対応のノウハウを蓄積するに至っています。
同時に一人の言語聴覚士が救うことが出来る人の数は限られています。これが悔しいのです。自分の持っている知識や経験をほんのちょっと伝えるだけで多くの方が助かるのに、それを伝える手段が限られていることが悔しさに拍車をかけます。
今回一般社団法人オンライン臨床では、言語聴覚士として在宅の現場で長年「だんらん」を支援してきた長岡のノウハウをお伝えする手段として「誤嚥ケア検定」をスタートさせることにしました。
誤嚥を防ぐための基礎が誰にでも分かるように、ひとりでも多くの方が誤嚥で苦しむことのないように。
専門家にかかる前にこれを知っておけば、主にご家族にとってその後の食支援がよりスムーズに出来るようになる、そんな検定です。
そしてこの検定は全部で10ステップ。
全てオンラインで受講することが可能です。そして全ての動画で受講が完了したあと、希望者には検定試験の受験資格が与えられます。
検定試験に合格することで誤嚥ケア検定の認定証が届きます。
まずはこちらの動画をご覧ください。
10ステップのうち最初のステップとして「とろみ」をテーマにした「とろみのヒミツ」を今回公開させていただきました。
ステップ1:とろみ剤の1歩を進めよう
こういったボリュームの動画が全部で10ステップ。
誤嚥ケア検定の対象者
誤嚥ケア検定の対象者は、
医療・介護関係者
施設職員
誤嚥のリスクのあるこども、および家族
誤嚥のリスクのある高齢者、および家族
など、誤嚥に関わる方にできるだけ多く受講していただきたい内容となっています。もちろんそれ以外の方も受講可能です。
このような知識を必要としている方がたくさんいます。そしてそれによって救われる方もたくさんいます。だからこそそれらをわかりやすく伝えられるようにしたい。
そして最後には専門家がいなくてもいい世界をつくりたい。そんな思いからこの誤嚥ケア検定を作りました。
この先はnoteの有料記事となっていますが、検定費用がこちらのnoteの有料記事の購読料となります。是非検定を受けていただいて誤嚥ケア検定の認定証を手に入れてください。
自分と家族、クライアントの「だんらん」を守るためにも、この機会に是非誤嚥ケア検定、受けてみませんか?
このラインより上のエリアが無料で表示されます。
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