2023年(令和5年)を振り返る その3
その2では、「ピアノレッスンでのトラウマ」の続きとしてピアノレッスンについて取り上げました。今回のその3では、A型での立ち位置の変化について評細に語りたいと思います。
その1に、5月に現事業所A型(飲食業)と同事業所の別のA型(同)を兼任し始めたことと、10月に現事業所A型(飲食業)でデザート作成が週4日になることと、2つの出来事を書きました。振り返ると、この「兼任」と「デザート作成」は私のA型利用者としての立ち位置の変化を特に象徴する出来事であったと考えています。
私はASDと精神障害(うつ)を抱える当事者の1人です。現在は福祉事業所A型で働いています。現事業所A型(飲食業)は7年目に入っています。現在、そこに利用者は10人前後いますが、5月の頃は2人、10月の頃は1人を除けば、私が勤続年数において最も長くなっています。要するに、ベテランとか古参みたいな存在になっていますので、利用者間で上の立場(力ある立場)にいることになります。こういう文脈でいけば、「兼任」や「デザート作成」があっても不思議ではないでしょう。
ただ、上の立場(力ある立場)での言動にはまだまだ戸惑いが隠せません。10月からは特にそうです。noteではこの立場の人たちの言動を批判してしまう私ですが、いざ経験してみると試行錯誤の連続です。私はいつも「上の立場は下の立場と対等ではないので、前者が後者を対等にする」ことを主張しています。なので、そのことを意識しつつ利用者間で「対等にする」にはどうすればいいのかを常に考えて動いています。
例えば、「デザート作成」は10月から始めた別の利用者がいるのですが、私がそこで約5年間培ってきた技術や経験を少しでも自ら伝えるようにしています。他にも挨拶や声掛けは自分からするとか、利用者に手本となるような言動を取るよう心掛けています。
1、2年目の頃は、職員のみならず利用者にも私より上の立場の人がいたので、追いかけていればよかったのですが、7年目の現在は職場が見えて仕事も一通りできるようになったこともあり、下の立場の利用者から追いかけられているように感じています。そんな状況なら職員に任せればいいとも思いますが、人の関係は非対称的(対等ではない)と考えているので、利用者間でも「対等にする」ように意識的に接していくことで、長い目で見れば利用者全員が働きやすい環境になると思っています。
私の「対等にする」挑戦はまだ始まったばかりです。でも、上の立場(力ある立場)を批判することを止める気はありません。そうしているならば、自ら少しずつでも実行していけばいいと思っています。こう考えると、今回の原稿は「#熟成下書き」のようなものと考えています。「ブルーオーシャン」(未開拓の市場)とも言えるかもしれません。
ここまで読んでいただいた方に深く感謝申し上げます。