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初対面が人間関係の全盛期
意味わからないタイトルでしょう。
人間関係がお上手で、コミュニケーションが得意で、誰とでも仲良くなれるみなさまは「人間関係って初対面からはじまるじゃん」とお考えのことでしょう。
いっぽうでこのタイトルを見て「あーわかるかも」と感じたそこのあなた。たぶん、わたしとお友達になれます。
お互い初対面で全盛期を出しあって、徐々にフェードアウトする関係を築きましょう。
今回はそんなお話です。
わたしは自他ともに認める人見知りでコミュニケーションがヘタクソで口もヘタクソで、人付き合いがヘタクソな人間です。
そんな人間でも、初対面はけっこう得意なんだ。
なんなら初対面しか得意じゃないんだ。
ここからは「わたしの人付き合いを客観的に見た分析」を書いていくよ。
めちゃくちゃ褒めたり持ち上げる言葉や表現を使ったりしても、それはあくまで客観的な分析に基づくものだから、自画自賛しているわけではないことをあらかじめことわっておくよ。
まず、わたしが他人とかかわるうえでいちばん大切にしている信念がある。
それが、他人に嫌な思いをさせない、ということ。
初対面だと、特に顕著に出てくる。
とにかく初対面の相手に嫌な思いをさせないように、わたしが相手に不快な思いをさせないように、わたしは脳みそをフル回転させる。
不快な言葉遣い、不快な身振り手振り、不快な視線……相手を不快にさせそうなものを徹底的に排除しながら、初対面の相手と対峙するのです。
これはたぶん、ホスピタリティから出てくるものだと思う。
不快な思いをさせないことが、ゆくゆくは相手をもてなすことにつながっているんじゃない? わたしにもよくわからないけど。
プラスにするもてなしじゃなくてマイナスにしないもてなしってカンジ。
たぶん、わたしはここで「わたしはいい人間である」「あなたにとって無害な人間である」ということを全力で伝えようとしている。
どんな場面で、どんな人間と初めて会っても、これを考えるのよ。
だからこそ、初対面がめちゃくちゃ強いのだ。
これねえ、一見いいことのように思えるでしょ。
でも、全然違うのよ。
初対面で印象の最大を叩き出してしまうからだ。
現状わたしの能力では、初対面時以上の好印象を出せない。
なので、2回目以降は右肩下がり。
相手からしたら「あれ、この人前はもっといい感じだったんだけどな……」と思われてしまいがちなのである(わたしの想像だけど)。
実際、初対面でめちゃくちゃ話が弾んだけど、別の機会で会ったら全然話が弾まなくて相手に怪訝な顔をされたことだってある。
ついでに「なんか元気ないですか?」と指摘されたこともある。
で、ここからが(ここからも)わたしの悪いクセなんだけど。
初対面と同じクオリティの人あたりを見せられないわたしは、少しずつその相手との距離を置こうとする。
それって、なんでー?
上でも書いたように、わたしの対人関係における信念は「他人に嫌な思いをさせない」こと。
初対面と同じように笑顔で接することができないということは、相手に不信感とは言わないまでも違和感を与えることになってしまう。
要は信念に反してしまうワケよね、わたしの世界の中では。
それならばいっそ……というロジックなのよ。
他人に嫌な思いをさせたことで相手に嫌われてしまうくらいなら、そうなる前にわたしのほうから距離を置いてしまえばいい。
なんだかどこかで聴いたことがあるフレーズですね。
そう、RADWIMPSの『有心論』の歌詞と同じなんです。
どうせいつかは嫌われるなら 愛した人に憎まれるなら
そうなる前に僕の方から嫌った僕だった
うん。
嫌われるのが怖いんだ、わたし。
だからこそ、嫌われて傷つけられるくらいなら、わたしのほうから嫌ってしまえばいいとさえ思っている。
たとえ、それで相手に嫌な思いをさせたとしても。
「他人に嫌な思いをさせない」という信念を持ちながら、自分が傷つかないためなら他人を傷つけるという二律背反。
あれだけ信念に反するのが嫌だと言いながら、我が身可愛さには平気で信念を曲げる。
なんと気持ちの悪いことか。
なんていうか、わたしは人付き合いにとことん向いていない。
わたしから嫌って相手に嫌な思いをさせるなら、最初から他人とつながらなければいいとさえ思い始めている。
前にも言ったけど、わたしにはたぶんサウザーの才能がある。
愛ゆえに人は苦しまねばならぬからね。
こんな感じで、わたしは初対面が人間関係の全盛期なワケよ。
頭では、他人はそこまで他人に興味がないことくらいわかっているはずなのに。
誰にでも「いい人」でいることをやめなければならない。
誰にでもいい顔をするより、わたしに優しくしてくれる人間、わたしを好きでいてくれる人間にだけいい顔をしていたほうが、たぶん人生は豊かになるに違いない。
でも、わたしはそういう星のもとに産まれていない気がするんだよね。
なんか、考えても答えが出ない気がしてきた。
もういいや、寝ちゃお。
今回はこんな感じ。おつかれサマー。
みなさま、よき有心論ライフをお過ごしください。