表現ができない息子の尊厳と主体性 〈 身体拘束 〉
身体拘束とは 医療行為の妨げになる、問題行動を起こす 等の理由で身体の自由を拘束する行為のことを言います。
身体拘束というと多くの方はベットに手足や体をベルトで拘束したりという想像をするかと思います。
私自身も息子が寝たきりになるまで身体拘束というワードから連想するものはそういった風景でした。
しかし入院生活、日常の看護、通園と様々な場所で身近にあるものであると知りました。
そんな身体拘束と息子に起こった出来事についてお話できればと思います。
まず身体拘束を行う際で大前提となるのは必ず同意書が必要であることです。
では身体拘束に当てはまる行為とは…?
・ミトン
・抑制帯(肘関節抑制・体幹抑制帯)
・ベルト
ミトンも身体拘束に当てはまるの?と思う方も少なくないかと思います。
しかしそれほど身体拘束とは身近なところにあるものなのです。
私がどれだけ身体抑制が身近であるかを感じた場面、それは通園の手続きの際でした。
入園手続きの書類の中には身体抑制の同意書があり、座位保持椅子を使う際もベルトを使うため同意が必要なんですと。
私はこんなところでも身体抑制の同意を取るのかと驚きの気持ちと当たり前のことであってもしっかりと説明をしてくださった所長さんに " 安心してお任せできる "とそう思いました。
なぜなら過去に同意なしの身体抑制を行われたことがあったから。
※これからお話しすることは誰かを批判、否定したいと思い書いているわけではありませんのでご理解ください
退院して一ヶ月も経たない頃、お預かり看護をしていただき私は用事があったため次男と外出をしていました。
すると仕事に行く前の家族から息子が柵に手を縛られていたから注意してみてほしいと連絡が…
その頃の息子は手が少しづつ動くようになったため、不快感のある鼻に手を擦りあててしまい指などに引っかかった拍子に抜けてしまうというのがこまりますねと別の看護師さんと話すような状況でした。
しかしそれまで縛られたり抑制するということはせず近くで見守るという形をとっていただいていました。
詳しく聞くとふとみた時にはすでに縛られており、なぜ縛っているのかと聞くと胃管を抜いてしまうからと返答がありその後は外していたが家族が誰もいない状態になったらまた縛られてしまうかもしれないとのことでした。
急いで帰り息子の方に目をやると再び縛られている息子の手。
みてくださっていた看護師さんは急ぎの電話をしている様子で息子の側を離れていました。
戻ってきた際には解かれ見守ってくださっていましたが私は小さな体で動きづらくても頑張って手を動かしている息子が片手だけとはいえ柵に縛られている姿にとてもショックを受けました。
当時、身体抑制について無知だった私は急いで病院のソーシャルワーカーさんに相談しこのような状況はあって良いことなのかということを確認しました。
返ってきた返答は あってはならないことで身体抑制は人権を尊重するため慎重に判断すること、同意のもとで行うことが大前提である とのことでした。
もちろん看護師さんに悪意がないこと胃管を抜いてしまえばまた息子が苦しい思いをするからなどの理由から抜管を防ぎたいという気持ちなどは会話の中でわかっていましたしその方自身を否定したいわけではありませんでしたが、事業所へ報告しその方の訪問はご遠慮いただくことをお願いしました。
息子を守れるのは、息子の気持ちを代弁してやれるのは家族しかいないということをこの時感じました。
しかしながら健常児と同じように息子にも親元から離れる時間は必要であり、私にも必要です。
だからこそ身体抑制の同意書の意義をしっかりと説明してくださったとき、安心してお任せできると思ったのです。
障害の有無に関わらずお子さんに関わることでの違和感、見逃さないで大切にしてください。
結果的に心配のしすぎでも安心して子供達とご家族が生活できるように。
そしてそうであってもきっと学ぶことはたくさんあるかと思います。
最後に身体抑制において大切なのは家族でも本人の怪我を防止するためにと不要な身体抑制をしてはいけないということです。
自分の子供であっても全てにおいて大切なのは本人の気持ちであって親の気持ちではありません。
こんなことを言っていますが家族であっても違う人間である息子の気持ちを完全に代弁する自信は私にはありません。
だからこそ今後、もっともっと息子の表現方法を見て学んで増やしていきたいと思っています。
そしてきっとそれは健常児である次男においても大切にしなければならないこと。
心配や価値観の違いによる次男との意見の違いがあってもそれを次男に押し付けてはならない。
障害児育児で学ぶことが健常児育児に
健常児育児で学ぶことが障害児育児に
日々、息子たちに学ばせてもらっている毎日です。
通園体験vlog 𓅹
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