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マーケティングとブランディングの違いとは?~ユニクロに学ぶ実践的活用法~

あなたは「マーケティング」と「ブランディング」の違いを正確に説明できるでしょうか?
多くの人がこの2つを混同していますが、実はビジネスの成功に欠かせない2つの異なるアプローチなのです。
ユニクロもこの「マーケティング」と「ブランディング」を効果的に使い分けたり組み合わせたりしていることで、日本の小売業界で圧倒的な存在感を示しています。
そこで今回は、ブランディングとマーケティングの定義や違い、互いの関係性について解説していきます。

■ この記事で学べること

・マーケティングとブランディングの本質的な違い
・各アプローチの具体的な目的と手法
・効果的な組み合わせ方と使い分けのコツ
・ユニクロに学ぶ実践的な活用法


1. 目的の違い【売る vs 伝える】

マーケティングとは、市場において商品やサービスが売れる仕組みを作るために実施する市場調査や広告宣伝、販売促進などの活動全般を指します。
つまり、企業がターゲットのニーズを把握し、それに応える価値を的確に提供し、市場を活性化させて、利益を上げることを目指す取り組みのすべてがマーケティングと言えるのです。

一方でブランディングとは、商品・サービスや企業(ブランド)のもつ思想や世界観(=らしさ)に独自性と一貫性をつくり、そのイメージを広く認識してもらうために行う取り組みのことです。

ものすごくシンプルに説明すると、

・ブランディング ≒ 伝えるゲーム
・マーケティング ≒ 売るゲーム

このようにシンプルに考えると、マーケティングの目的は「売ること」であり、ブランディングの目的は「伝えて好きになってもらうこと」なのです。

2. アプローチの違い【直接的 vs 間接的】

マーケティングは商品やサービスの特徴、価格、利点を直接的に訴求します。
例えば、セール情報を告知するチラシなどがこれにあたります。

一方で、ブランディングはより間接的なアプローチを取ります。
企業の価値観や世界観を伝えることで、顧客との感情的なつながりを築きます。

以下の画像をイメージするとこの直接的と間接的なアプローチの違いが分かりやすくなると思います。
例えば、「料理が得意であり、自慢の料理を食べてもらいたい」という訴求内容をマーケティングとブランディングの視点から考えます。

マーケティングの場合は、自分から「僕は料理が得意!ぜひ食べてほしい!」と自分の訴求内容やイメージを相手に直接的に訴えるイメージです。

一方で、ブランディングの場合はどうでしょうか?
ブランディングでは「料理が得意」というイメージを周囲に伝え続けることによって、相手が「あなたは料理が得意なのね!ぜひ食べてみたい!」というイメージを主体的に持つことになります。
例えば口コミのように、ブランディングが成功すると人を介してイメージがどんどん伝言されていくのが特徴です。

3. 時間軸の違い【短期的 vs 長期的】

マーケティングは直接的な訴求を通して、比較的短期的な売上や利益の向上を目指します。
一方、ブランディングでは間接的なアプローチが主体になるので、長期的な視点で顧客との関係性を構築します。

4. 信頼性の違い【即効性 vs 持続性】

マーケティングは即効性があり、すぐに結果が出やすいという特徴があります。しかし、その効果は一時的なものになりがちです。

一方でブランディングは、人を介して伝言していくので信頼性が高まりやすいという特徴があります。
また、長期的な価値創造を目的としているため長期的な視点で我慢強く取り組むことが必要ですが、一度軌道に乗ることができれば高い持続性があります。

5. ユニクロに学ぶ実践的活用法

ユニクロもこの「マーケティング」と「ブランディング」を効果的に使い分けたり組み合わせたりしていることで、日本の小売業界で圧倒的な存在感を示しているのです。
実際にどのように使い分けしているのか、その事例を見ていきましょう。

・ブランディング:高級感のあるテレビCMや新聞広告、アート性の高い店内雑誌
・マーケティング:商品の特徴や価格を分かりやすく訴求するチラシ

下記イメージのようにテレビCMや新聞広告、店内に置かれた雑誌では著名なフォトグラファーによる写真やアート性の高いイラストレーションが使用され、上質な世界観でのブランディングが行われている。

引用:https://www.uniqlo.com/jp/ja/

一方でユニクロは販促(マーケティング)目的でのチラシもずっと制作し続けています。
チラシは商品の値段や特徴を分かりやすく訴求するデザインが採用されており、こちらはマーケティングに振り切って制作されていることが分かります。

引用:https://www.uniqlo.com/jp/ja/

この戦略により、ユニクロは「高品質でありながらリーズナブル」というブランドイメージを確立しつつ、実際の販売促進も効果的に行っています。

6. 効果的な組み合わせ方

ブランディングとマーケティング、どちらかの施策だけに絞って取り組むことは少なく、2つを上手に組み合わせてブランドを育てていく必要があります。
今自分たちが取り組んでいる施策の目的はどちらなのかをその都度明確にしたうえで、適切なアプローチをしていくことが大切なのです。

もし長期的にブランドを大きくすることを考えるのであれば、先にブランディングに取り組むことがおすすめです。
ブランディングによって「らしさ」を明確にしたうえで、マーケティングに取り組むことでさらにその効果が期待できるのです。

1.まずブランディングで「らしさ」を確立
2.その上でマーケティングを展開し、具体的な商品やサービスを訴求
3.各施策の目的を明確にし、適切なアプローチを選択

■ まとめ:成功への道筋

マーケティングとブランディングは、ビジネスの成功に欠かせない2つの要素です。
短期的な売上向上を目指すマーケティングと、長期的な信頼関係構築を担うブランディング。この2つを状況に応じて適切に使い分け、組み合わせることで、持続可能な成長が実現できるのです。

あなたのビジネスは、この2つをどのように活用していますか?
今一度、自社の戦略を見直し、マーケティングとブランディングの最適なバランスを探ってみてはいかがでしょうか?


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