商標出願件数の推移と分野ランキング
現在年間で商標登録出願がどの程度されているかご存知でしょうか?
また、出願件数が多い商品・サービスの分野はどのような分野でしょうか?
商品・サービスの分野によっては極端に出願が多いので、その分商標に対する手当をする強くする必要があります。
また、出願件数が多い分野については、出願の仕方も注意しなければ思わぬトラブルに巻き込まれることがありますので、出願の際には出願の内容にも意識する必要性が高いです。
以下、特許庁が発表している統計をまとめてみましたので、参考にしてみてください。
〇 商標登録出願の推移 〇
2013年:117,675件
2014年:124,442件( 6,767件増加)
2015年:147,283件(22,841件増加)
2016年:161,859件(14,576件増加)
2017年:190,939件(29,080件増加)
※ 特許行政年次報告書2018年版 特許庁 より
2018年度の正確な出願件数の発表はまだされていませんが、おおむね16万件程度とのことなので、2016年から15万件台をキープし続けていることになります。
一部の大手企業のみではなく、中小企業や個人事業主の間でも商標登録出願に対する意識の高まりが商標登録出願の件数の底上げしているものと考えています。
これだけ商標登録出願の件数が多ければ、たまたま思いついた商品名やサービス名が他人の商標権に抵触しているという自体は“普通に想定されます”。
つまり、商品名が決定した段階で“普通に商標確認をしなければならない”時代になっているということです。
次に分野別の出願件数ランキングです。
〇 商品区分別ランキング(2017年) 〇
1位:51,998件 9類 パソコン機器・アプリ 等
2位:29,078件 16類 文房具類、印刷物 等
3位:14,586件 12類 乗り物 等
4位:13,175件 30類 菓子、加工食品 等
5位:12,333件 3類 せっけん類、化粧品 等
6位:12,090件 25類 服、靴 等
※ 特許行政年次報告書2018年版 特許庁 参考
特にブランド力が直接商品の価格に直結するような商品がランクインしている印象です。
上記分野に該当する商品を販売する際には、特に商標の確認が必要です。
〇 サービス区分別ランキング(2017年) 〇
1位:51,955件 35類 商品の小売りサービス、広告業 等
2位:43,635件 41類 教育、娯楽 等
3位:42,975件 42類 アプリの提供 等
4位:31,175件 45類 異性紹介、警備、法律業 等
5位:26,339件 36類 金融業、保険業、不動産業 等
※ 特許行政年次報告書2018年版 特許庁 参考
サービス業は分類分けが商品ほど細かくないため、1つの区分に対する件数が多くなっています。
35類は、様々な商品の小売が規定されている区分なので他の区分よりも件数が多いです。
ランクインはしていませんが、飲食店の分野の出願も急激に件数が増えているため注意が必要です。
(2015年:8,143件 ⇒ 2016年:12,165件 ⇒ 2017年:16,499)
以上、日本国内の出願件数をもとに記載しましたが、おとなり中国の2017年の商標登録出願件数は574万8,000件...と桁違いです。
この機会に自社の国内外の商標権について、整理・見直しされてみてはいかがでしょうか?
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