ほろよい読書
織守きょうや 他 2021年
・あらすじ
今日も一日よく頑張った自分に、ごほうびの一杯を。酒好きな叔母の秘密をさぐる姪っ子、自宅での果実酒作りにはまる四十路のキャリアウーマン、実家の酒蔵を継ぐことに悩む一人娘、酒が原因で夫に出て行かれた妻、保育園の保護者からオンライン飲み会に呼ばれたバーテンダー……。今をときめく5名の作家が「お酒」にまつわる人間ドラマを描いた、心うるおす短編小説集。(後ろのあらすじより引用)
・感想
家族からのすすめでした。前々からSNSでも、よく見る本で気になっていました。5人の作家によって書かれた短編小説をまとめた本で、それぞれの作家の作風を楽しみながら読みました。
この本のテーマは「お酒」です。この言葉だけでも、伯母の秘密を探るために飲む人、果実酒作りにはまった人、実家の酒蔵を継ぐことに悩む一人娘など、人や場所が違うだけで色々な展開になっていて、本当に面白かったです。
特に印象に残ったところが、この本の最終章、「barきりんぐみ」です。この話は、保育園の保護者達から飲み会に呼ばれた、バーテンダーの話なのですが、これが今のコロナ禍という設定なのです。なので、オンライン飲み会になっていました。直接、お酒を店から出せない代わりに、それぞれの家の冷蔵庫に入っている物をバーテンダーが聞き出してアドバイス。アドバイスを受けた側はその通りにシェイクして、それをカクテルにするという一部始終が描かれていました。「人との繋がりに距離感のある今の時代らしいな~」と思いました。
・書籍情報
この本は2021年8月8日に文庫本として発売されました。