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幻の旅

林望 1993年

・あらすじ
「だから、いま心の中の旅に出ようと思う。どこにもない時間の、架空の場所へ……。海風の吹きやまない幻の旅に」(本文より)
少年の日の夏、ほのかな恋、そしてイギリスで過ごした日々。40篇のリリシズムあふれる文章と著者自身の手になるスケッチが、幻の旅へと心を誘う。林望が贈る大人の絵本。 解説・林あまり

『幻の旅』表紙のあらすじより

・感想
林望さんは高校の国語の授業で習って知った作家さんです。今月図書館で、この本を見つけ、「そういえばあの時の」と思って気になり借りてきました。

「大人の絵本」と称されている通り、自然や日常生活、古い時代の記憶を明瞭に描いているという印象でした。途中オノマトペが多用されているところもあり、詩に近い部分もあるなぁという印象でした。普段の物事や周りの環境、自分が何も気にしなければそのままですが、こうして文章になったものを読むと、何かからくりのようなものがあるようで、生き物のようだなぁと感じました。

最初はよくわからなかったのですが、この作家さんは、少年時代をイギリスで過ごしたりしたようで、経験豊富な方なんだなぁと感じました。『幻の旅』というタイトルの通り、林さんにとっての「遠い昔の記憶」、それが幻の中を歩く旅のようだから、こういった題名になっていったのかなと思います。(※私個人の考えです)

学校とかの国語の授業で習う作家さんは、その作品が終わったら、別の人の書いたものを今度は始めてゆくので、あまり深く知ることが出来ません。私は図書館を利用するようになってから、年代を問わず色々な人の作品を読める環境になったので、最近こういった人たちの作品を目にすることがあり、面白そうと感じることがあります。やはり折角授業を受けたのだから、そのままにしてはもったいないですよね。こうやって深めてみると面白いと感じております。

・書籍情報
初版刊行日:1997年1月10日
刊行元:文藝春秋
定価:本体583円+税
備考
単行本:1993年11月マガジンハウス刊


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