幻の旅
林望 1993年
・感想
林望さんは高校の国語の授業で習って知った作家さんです。今月図書館で、この本を見つけ、「そういえばあの時の」と思って気になり借りてきました。
「大人の絵本」と称されている通り、自然や日常生活、古い時代の記憶を明瞭に描いているという印象でした。途中オノマトペが多用されているところもあり、詩に近い部分もあるなぁという印象でした。普段の物事や周りの環境、自分が何も気にしなければそのままですが、こうして文章になったものを読むと、何かからくりのようなものがあるようで、生き物のようだなぁと感じました。
最初はよくわからなかったのですが、この作家さんは、少年時代をイギリスで過ごしたりしたようで、経験豊富な方なんだなぁと感じました。『幻の旅』というタイトルの通り、林さんにとっての「遠い昔の記憶」、それが幻の中を歩く旅のようだから、こういった題名になっていったのかなと思います。(※私個人の考えです)
学校とかの国語の授業で習う作家さんは、その作品が終わったら、別の人の書いたものを今度は始めてゆくので、あまり深く知ることが出来ません。私は図書館を利用するようになってから、年代を問わず色々な人の作品を読める環境になったので、最近こういった人たちの作品を目にすることがあり、面白そうと感じることがあります。やはり折角授業を受けたのだから、そのままにしてはもったいないですよね。こうやって深めてみると面白いと感じております。