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キラキラ共和国

小川糸 2017年

・あらすじ
「ツバキ文具店」は、今日も大繁盛です。バーバラ夫人も、QPちゃんも、守景さんも、みんな元気です。みなさんのご来店をお待ちいたしております。――店主・鳩子亡くなった夫からの詫び状、川端康成からの葉書き、大切な人への最後の手紙……。伝えたい思い、聞きたかった言葉、「ツバキ文具店」が承ります。2018年 本屋大賞ノミネート!

幻冬舎ホームページより

・感想
10月一発目の投稿は、小川糸さんの『キラキラ共和国』です。去年、「卵を買いに」を読みました。小川糸さんはその時に知った作家さんです。あれ以降、小川さんの作品は読めていなかったのですが、図書館を適当に周っていたときに、この本を見つけました。名前が気になったのと、以前から紹介しているフォロワーさんが多いように感じ、ずっと前から気になっていました。

鎌倉で「ツバキ文具店」を営み、代書屋としても活動する鳩子は、同じく鎌倉でカフェを営んでいる、ミツローさんと結婚。ミツローさんの受け子、QPちゃんとの3人の家族の生活、そして、離婚の要望、借金返済の要求、先立たれた夫からの手紙など、代書屋として様々な仕事をこなしていく姿が描かれていました。

最初は温かみのある小説なのかと思っておりましたが、代書屋として、様々な人の要望に応えていく中で、すでにもういない人のことを思って書いたり、人と人の対立などに加担したり、切ないと感じる場面も多いと感じました。私は、「よくこんな仕事できるよな」と感じました。自分がやりたくないことでも、関係なくやっていく。これが仕事なのだなと感じました。

一方、暗い場面ばかりではありませんでした。可愛い子どもの様子が鮮明に描かれており、とても和むことの出来ます。子どもの名前はQPちゃん。子どもらしく純粋無垢だけど、でも何かそれだけは終わらせることが出来ないような部分もあり、奥の深い子だなぁと感じました。

仕事にただ打ち込むだけで、家族を大事にしない人が多いという実態を知った後に読んだので、自分は家族を大事にできる人間なのか考え直したり、家族は大事にしなければいけないものだと感じたりしました。この話は子どもと遊んだり、何かを教えたりして、家族を大事にし、仕事も精一杯に打ち込む親の姿も描かれています。これこそ、理想の家族のあり方なのではないかと思いました。

登場人物が個性的な名前ばかりでしたでした。思わず笑ってしまうほどです。詳しく書いても良いかなぁと思いましたが、多方面から怒られそうなので、ここで触れるのはやめておきましょう。気になった方は、是非『キラキラ共和国』を読んで確かめてみてくださいね。

・書籍情報
初版刊行日:2017年10月25日
刊行元:幻冬舎
定価:本体1400円+税
備考
初出:小説幻冬 2017年5月~8月号

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