倚りかからず
茨木のり子 1999年
・感想
久々の詩集でした。家族から「読んでみて」と薦められた作品でした。
私はこの本を読む前、茨木のり子さんという作家さんについて全く知らなかったので、読み始めて一回読んだだけでは、あまり良さが分からなかったです。しかし、どんなことが書いてあるのか次の日に気になってしまって、再読しました。
戦争の時代から、平成の時代までを生き抜いてきた人というだけあって、さまざまな体験や、それをもとに培った人生観は国歌のことを題材にした詩、戦争体験が綴られた詩、マザー・テレサやピカソを題材にした詩もあり、多種多様な詩に姿を変えておりました。
特にこの本の題名にもなっている「倚りかからず」という詩は、世の中は何が正しくて、何が間違えているのかということを題材にした作品のようでした。
「ここのクリーニング屋使いたいんだけど、どう?」「これ食べても大丈夫かな?」普段、こういう会話を交わすと思います。結局は失敗しないため、失敗を恐れているからこういう会話をするのかもしれません。しかし、それだけがすべてなのでしょうか、失敗してこそ人間は強くなるはずです。「失敗は成功の基」この言葉を暗示しているように感じる作品でした。
学校で先生から「失敗を恐れて、黙りこけるのは一番最悪な場合の話だ。失敗してもいいから何かに始めてみる。」と言われたことを思い出しました。
失敗を恐れて、警戒してしまう方が、ダメージが大きい。私も過去に何度か、こういう経験がありました。結局、失敗を恐れたところで無駄なのだと感じました。「失敗を恐れていても何も始まらない、だから、何か始めてみよう。」そう思う詩でした。
他にも、生きていくうえで必要になる力が、綴られている作品もありました。皆さんも、是非読んでみてください。