万国お菓子物語 世界をめぐる101話
吉田菊次郎 1998年
・概要
たかがお菓子と言うなかれ!戦略結婚によってフランスへ伝わったマカロン、参拝記念として配られたレープクーヘン、名称を巡り裁判にまで発展したザッハトルテ、大航海時代にポルトガルからはるばる日本までやってきたカステーラ・・・。名店「ブールミッシュ」の創業者が豊富な知識と文献から読み解いた世界をめぐる、お菓子一〇一の誕生秘話。(後ろの紹介文より引用)
・感想
この話はその名の通り、世界中のお菓子、スイーツの詳細、歴史について語った本です。普段何気なく食べる、お菓子。そこには、人々の住む環境はもちろん、政治や宗教、時代の変化に翻弄されながらも、常に形を変えながら、現在の形があることを知りました。
お菓子の名前の由来や、現在の形になるまでの様子を見ていく中で、国民性が大きく反映されているように感じました。例えば、ヨーロッパでは細部まで凝って、材料や作り方を決めているのに対して、アメリカは、「美味い!!」と感じたら、何でも材料として使っていたり、アメリカ映画を見ると顔にケーキをかけたりと、「食べる」という用途以外でも、使ったりしている様子があるようで実にアメリカ式だと言っていたり、中国や朝鮮半島でよく食べられている物が、沖縄や日本に伝わり、形を変え現在に残るものもいくつもあるそうで、近隣の地域や国の影響を受けやすいそうです。これも、昔から人々が交流をしてきたという事が分かります。
普段何気なく食べているお菓子や食べ物、それが現在の形になるまでに、時代や人々の好みとともに多くの時間をかけて変化してきたことを知れました。
・書籍情報
この本は1998年に晶文社によって刊行され、2021年12月に講談社により文庫化され、発売されました。
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