刻まれた水木しげるさんの言葉
境港駅前の広場でのライブを終えると、町を観光してみることにした。というのも、この町は漫画家水木しげるさんの故郷なので、通りの至る所に妖怪の像がある「水木しげるロード」があるのだ。
背の低い木造の建物が並び、鬼太郎やねずみ男などの土産物があちらこちらで売られていて、なんとも懐かしい気持ちになった。
通りを見ていると、一反もめんや猫娘、そして目玉のおやじなど、懐かしい妖怪の像がたくさん出迎えてくれた。
さらに進んでいくと、和服姿のにこやかな夫婦の像があった。水木しげるさんと奥さんの布枝さんだ。
そしてそのそばの石碑には、こう刻まれていた。
「人生は 終わりよければ、すべてよし!」
水木しげるさんの生涯は、波乱万丈だったという。小学校に1年多く通ったこと、戦争で左腕を失ったこと、戦地で原住民と仲良くなり、一緒に暮らしたこと。漫画家になっても、なかなか売れる機会に恵まれなかったこと…。
様々な苦労の中作品を生み出していったのだ。
きっと悩むこともたくさんあったに違いない。家族の支えももちろんあったのだろうが、水木さんがきっと、「最後には笑顔でいられるように」という思いを持っていたからこそ、作品も水木さんもこれほどまでに愛されているのではないだろうか。
私自身、仕事のことや音楽のことで思い悩むとき、思い出す言葉の1つになった。