oneのVMV(ビジョン・ミッション・バリュー)について詳しく教えてください!【oneのVMV】
新卒が社内でインタビューをする企画の第3回。今回は株式会社oneの創業者・代表取締役の荒木さんにoneのVMV(ビジョン・ミッション・バリュー)について聞きに行きました。
インタビューされる側:創業者・代表取締役 荒木克彦
インタビューする側:新卒社員 小笠原朋子
――荒木さん、oneのVMV(ビジョン・ミッション・バリュー)のお話も聞かせてください。
oneのVMVは
ですが、このVMVはoneが神楽坂にオフィスを構えてから決まったんですか?
荒木:はい、神楽坂に来てから半年か一年ぐらい経ってからです。偶然だけど、創立10周年のタイミングでできました。
――株式会社CACICAの吉田社長にご支援いただきながら、VMVを決めたということを聞いています。プロの方に入っていただきつつ、決めたというかたちですよね。
荒木:そうですね。VMVを設定する以前に、僕が社員と一緒に叶えたいこととして「世界一社員が幸せに生きられる会社~世界の仲間も一緒に~」という言葉をなんとなく掲げていたんですけど、それは会社を創った2010年からこれまでやってきた中で、僕が経営者として大事にしたいと思っていることです。
だから「世界一社員が幸せに生きられる会社~世界の仲間も一緒に~」はビジョンでもミッションでもバリューでもなくて、僕の“創業の想い”ということにして、oneが目指す姿について社員全員が共通認識を持って走るために、プロのお力を借りて言語化したということです。
ただVMVの設定に関しては、実はちょっと迷う部分もありました。「会社がどちらに行くかという方向性って明示されてる方がいいよね」って思いがちじゃないですか。でも僕は色々経験した中で、言葉で方向性を表したことによって、こうしなきゃいけないであるとか、それにあてはめなきゃいけないと考えて動きがとりづらくなるとか、問題が起きている会社も見たんですよ。
だから、問題が起こることもあるとわかりながら、「VMVを決める必要あるかな?」って思ったんです。でも、問題が起こることを避けるのではなくて、その問題と向き合う組織でありたいと考えて、僕らはこちらに進むんだというのを言葉にすることにしました。そしてその際、僕自身は口を挟まず、社員たちで作ってもらおうと決めました。
ただ自分たちで作ると偏るというか、僕らにとって新鮮さや驚きのある、テンションの上がる言葉って出てこないと思ったので、外部の方に入ってもらって、社員にヒアリングして引き出してもらって、まとめていただく、というプロセスをとったんですね。
社員全員だと多すぎるので当時のリーダー以上のメンバーたちから、ここの会議室で一斉に吉田社長にお伝えしました。「oneといえば何か」であるとか、oneの価値について、感情面はどうか、機能面はどうか、世の中に引き起こしたいことは何かみたいなテーマで、個々が考える内容を全部言っていくわけです。
それで、これはみんなに共通してるね、とか、その発想はなかったけど言われてみるとそうだね、とか、社員も発見していくという作業をしました。
吉田さんと僕は十年くらいの長い付き合いなんです。吉田さんも熱い人なので、逆に吉田さんの感情が入ってくるんじゃないかということもあって笑、吉田さんが社員から引き出した言葉をマインドマップにまとめていただいて、それを吉田さんの会社のライターの方やクリエイターの方にデータだけお渡しして、先入観なく客観的に反映してもらうというかたちをとって、返ってきたものが現在のVMVの原型ですね。
そこから、これはちょっと違うかなとか、いただいたものをヒントに別の表現が出てきたりとかして、1ヶ月から2ヶ月間、壁打ちしていきました。
はじめはね、バリューの「120%真剣に楽しんで仕事に取り組む」というところ、原案では120%じゃなくて200%だったんですよ。でも、200%って何か違うような気がして。現実的じゃない。100%でいいんだけど、「100%っていうのは当たり前じゃない?それで会社や個人の成長って生まれる?……じゃあ120%?」みたいなことなどを調整していきました。
少し解説すると、この「120%」というのは、「今できる120%」を指してます。僕も体調が悪かったりして、本来のパフォーマンスを出せないこともあります。でも、「今できる120%」をやるんです。例えば二日酔いであるとか、二日酔いになっていること自体が問題ではあるけど、それでも二日酔いの状態でできる120%を出すという心意気で行こうねみたいな。
で、「120%真剣に楽しむ」というのは、やっぱり仕事って真剣にやらないと楽しくないよねという軸もあるんです。なぜなら成長しないから。真剣にということは本当に「真剣」、ぬかったら死ぬみたいな、そういうピリッとした心意気でやるというのは大事だと思っています。
120%真剣に楽しんで仕事をすると成長する。120%楽しんでといっても、楽しむだけならそれは普通で、あえて楽しいという言葉は出てこない。だから真剣、真剣に楽しむ。矛盾というか、それを与えているのがバリューのところになります。
――ビジョンの『笑顔の連鎖』はどうやって決まったんですか?
荒木:笑顔の連鎖は、吉田さんが社員の言葉をマインドマップにしてくださった時に、結局oneさんの引き起こしたいことって、ハッピーにしたいということだよねということを言ってくれました。
それはその通りで、僕らが引き起こしたいのは笑顔の連鎖やつながりなんだと改めて気づきました。それでCHAIN OF SMILESということで、笑顔の連鎖を引き起こしたいということを掲げているんです。
会社というのは営利団体なわけですけど、だからといって、めちゃくちゃ儲かるけど誰かが傷つくようなことをやりたいのかと言えば社員全員NOだし、一緒に仕事する仲間がどんどん増えていくことや、信頼しあってどんどん輪が広がっていく、そこに笑顔が生まれるというのがoneらしいよねというのがあったので、ありたい姿、Visionという部分では、「笑顔の連鎖」を置くということで納得しました。
――ミッションの『想像を超える「驚き」を届ける』についてもお聞きしていいですか?
荒木: これは、oneが多岐にわたる事業を持っているという強みを提供することが使命だということです。提案する時、お客様に「ですよね」と思われてしまう内容なら、よその会社と一緒だと思います。
あえてPRとリサーチとウェブマーケティングとイベントとコンサルという多岐にわたる事業をやっているのだったら、提案した時お客様に「マジか」「ワオ!」って言われるようなものを提供したいよねという思いがあります。oneはそれを“チームで”やっていきます。
うちは新卒の採用もそうですけど、僕は土日も深夜も関係なく働いて成長したいですという人にはNOと言っています。一人で成長しても、一人でやっても、僕ですら全ての事業を把握できていないくらいなので、勝てないんです。だから、チームで戦う。
専門性を持った人が集まってチームで戦うという精神が数多くの事業をやっている上では必要なので、個々の知恵や経験を集結することでお客様に驚いてもらえる、つまりWOW MAKERになるということを大切にしたいと思いました。
一人ひとりが仕事を極限まで楽しんで、チームとしてはWOW MAKERとしてお客様に想像を超える驚きを与えて、その驚きが笑顔の連鎖を生んでいくというのがVMVの流れですね。
――oneのVMVはそうやって決まったんですね。荒木さんから見てVMVは社員に浸透していると思いますか?
荒木:難しい質問しますね笑。どのくらい浸透しているかを定量的に言うと、50%じゃないですか?で、これは吉田さんのご指導もあるんですけど、中小企業の8割はVMVを作っても、経営陣の自己満足で終わるんですよ。浸透が大事ですよね。
浸透させるためにどうしたらいいかを考えた時に、習慣化が重要だと思いました。なので経営陣がそれを話す、常に喋るということを意識づけしたというのはあります。
もう一つ、oneでは毎週月曜朝の全体ミーティングで、毎回3、4人が最近あったVMVに関わる出来事を発表して、全員に共有するということをしています。
ただあれも最近ちょっとだれていますね。最初はね、「……っていう活動をやったときに笑顔の連鎖だなと思ったのでそういうの意識してやっていきたいと思います」とか、みんな考えながら話していたんですけど、最近は「VMVに絡んでいるか分かりませんけど以上でした」みたいなのあるじゃない。あの辺はちょっと役員陣を含めて改めて意識を変えていった方がいいですね。
とはいえoneのVMVを全く知らない人はいないだろうから、そういう意味でいくと50%かなと。まだまだだとは思っています。
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荒木さんにインタビューする回は年内にあともう1回あります。次回は「荒木さんが考える幸せってなんですか……?」などのお話です。お楽しみに!