華とお月見
「うっひょ〜、お月さん綺麗だな!」
華男のこと、こうちゃんは、惣菜のカレーコロッケをさくっと齧りながら、ベランダで呑気にはしゃぐ。
今日はちょうど、祝日ということもあり、夕方まで、アロマテラピーの勉強で時間かかったので、そのまま、前のように私の部屋が華男の今宵の宿となってしまった。
まあ、クラフトに使う精油の量の計算は、この漢には早すぎたか、、、、
「ねえ、満月をイメージした香りとか匂いって、どんな風なんだろー。ももかはどう思う?」
「はあ?そんなの、、、急に言われても。」
私が500ml缶のレモンサワーを飲んでいる最中に、唐突な質問。
「形や色から、グレープフルーツや、レモンとか、シトラス系がベターじゃないん?」
「ふーん。そうか、俺的には、こんがりキツネ色にあげたこのカレーコロッケか、この甘いバームクーヘンみたいな匂いかな。」
そう言つつ、これまた、値引きされていたバームクーヘンをかぶっとかぶりつくこの漢。
もう少し、粋な喩えとか、言わないのかな?
そうは思っても、サクッとしたコロッケの衣の匂い、バームクーヘンのふんわりとした微かなバニラの匂い、シュワシュワと弾けるレモンサワーの香り。
ま、これもこれで、お月見の一つの楽しみ方でありかな
そう思い、私はグビっと、サワーを飲み干した。