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【Audible本の紹介20】同志少女よ、敵を撃て(逢坂冬馬)

今回紹介するのは、2022年に発行された「同志少女よ、敵を撃て」です。当時ベストセラーになり、自分も書籍を買いました。ほぼ、同時期にAudibleでも聞いていたので、今回、とりあげてみます。

最初に一言で解説すると、、、
ロシア人女性狙撃手を主人公とする第2次世界大戦(独ソ戦)を題材をした小説なので、今のウクライナ戦争につながるロシア人やウクライナ人の生き方や戦争への接し方を知ることができる小説です。

1 ストーリーに引き込まれ、楽しめる小説

 戦争を舞台にしているので、少女たちの訓練と狙撃兵としての成長、実戦の中での生死を分かつ瞬間の判断や、彼女たちをもてあそぶかのような運命のストーリーなど、どんどん聴き進める=読み進める手が止まらず、小説として純粋に楽しめます。
 ただ、多くの登場人物が、それぞれの理由で死んでいく、悲しい側面もあります。

 小説は楽しむのがなにより一番と思いますが、あえて、本書の特徴として、以下の2点を紹介してみたいと思います。

2 ソ連、ロシアの人々や文化など、ちりばめられている情報

 小説を通じて、ソ連というかつてあった国の社会や文化、また、そこで暮らすロシア人、ウクライナ人、アジア系などの人々の暮らしやそれぞれの思いなどを知ることができます。
 また、ソ連社会での男性と女性の関係や軍隊の中で上司と部下の関係など、現在のロシア社会にも残る、その国民性を感じることもできます。

3 独ソ戦と、戦争の舞台となったウクライナ

 国家民族存亡の危機であったほど過酷な状況であった独ソ戦(ロシアでは大祖国戦争と呼ばれる)は、今でも、ロシアでは5月9日を戦勝記念日として大々的に祝うほど、本当に大変な戦争でした。敵国であるドイツへの理不尽なほどの嫌悪感なども鮮明に描かれていて、戦争そのものの負の側面も感じます。

 また、本書には、戦争の舞台としてウクライナも登場しています。主要な人物の中にはウクライナ人の女性兵士もいます。本書を通じて、現在、世界史の中でも重要な出来事の一つである、ロシアによるウクライナ侵攻という出来事がリアルタイムで起きている、ロシアとウクライナの根本的な関係を知ることもできます。

 以上は、普通とはちょっと違った読み方かもしれませんが、こういう読み方もできるという意味で、紹介させてもらいました。

 最後に、、、、高校生が読書会をしたnoteを紹介します。深く読み込んでいて、様々な解釈がされていて、驚きました。



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