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記憶記事

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#エッセイ

吹雪電車とかりんとう

吹雪電車とかりんとう

 心からのお礼や相手を敬う気持ちを示す時、日本人には「お辞儀」という作法がある。ただ この所作を生活の中では形式的に行いすぎていて、その行動が示す意味を深く考えなくなっ ている。  

 石川は雪国だ。その日も朝から雪が降る予報であったが、金沢の画塾から帰ってくる時間に は、もう市内全域で吹雪になっていた。二両しかない小さな電車は、風の猛威に耐えながらやっとの思いで進む。だが、もう耐えられませんと

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神の手のひら

私が知ってる神さまの手の感触の話

小さい頃から、私はあまり病気をしない。ケガもしない。
今でこそ「プラシーボ効果」という言葉を知って、本当に病は気からなんだと分かるようになったが、めったに医者にかからない私は、それを自分でも自信にして暗示にかけていたからかもしれない。

だから医者にかかった記憶はごくわずかで、限られる。
中学何年生かの夏に、部活中に転んで骨折した右手首か、魚の目ができた左手の中

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ココルルとニナミカ

これは私におきた"色彩の二大事件"

色彩感覚はどうやって養われるのだろうか。

一つ言い訳にできるのであれば、私が生まれ育った北陸という土地は、めっぽう色が淀んでいる。
無彩色の季節が長い。空が晴れない。
「日本のロンドン」とたいそうに唱える人がいるのもしょうがないほどで、どうか同情してやってほしい。

土地のせいにはするが、色彩感覚というのは訓練しないと身につかないものだ。
自分に色彩センスが

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笑いマンゴー

マンゴーを初めて食べた時のことを覚えているだろうか?

美大受験に失敗して、浪人生となったあの一年間は、本当に辛かった。

通学定期が使えなくなって、
汚い服を着てバイトをし、
極端に人との会話は減って、
ヤケクソで金髪にしたのに染め直す金は無いから頭のてっぺんは黒くて、とにかく私はひどくダサかった。
こんなにダサい奴が美大なんて受かるかよ、と毎朝鏡を見て絶望していた。

辛くて毎日のように泣

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記憶再生装置

こんにちは初めまして。

記憶は、何によって蘇るでしょうか?

「写真には写らない 美しさがあるから」
これはTHE BLUE HEARTSのリンダリンダ冒頭歌詞です。

「写真機は要らないわ 五感を持っておいで」
これは東京事変の閃光少女の歌詞。

私の父はカメラマンでした。
たくさんのアルバム、大切に残された幼少期の記憶。

のはずが、それを見ても思い出す出来事はほとんどありません。
体験した

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