目には目を変態には変態を
このお話は私が20代前半の頃の実話です。
当時、仕事で独立するための準備期間で無職だった。
いろいろあって急に独立することになり物件探しから資料作成等やったことないけどやらなきゃ前に進まない状況で息抜きが必要だった。
その時にはまっていた息抜きが『真夜中の散歩』だった。
人が少なければ少ないほうが息抜きレベルが高いのでどんどん小道を開拓していった。それと同時に建物を見るのが好きなので外観と外構、車を見てどんな人が住んでいるか想像するのも楽しみの一つだった。
シンとした静寂のなか歩く。
好きな音楽を聴きながら歩くとなぜか気持ちが落ち着いた。
もはやルーティン化した真夜中の散歩に出かけていたある日、忘れもしない出来事が起きた。
現場は大通りを一本外れた住宅街。
道幅は5m以上はある。
人も車も悠々と通れる道幅だ。
私は安全のために道路の端を歩いていた。
後ろから自転車が来てるな~というのはなんとなく感じでいた。
自転車来てるなぁ~
来てるなぁ~
だいぶ来てるなぁーーーー!!!!!!!!!!
道路の中央を走っていた自転車が確実に弧を描いて私のほうに近づいてきている。
『これは、やばい。』
低く見積ってもおしりは触られそうな予感がした。
とっさに自分の身は自分で守らなければ、と思った。
そうだ、ロボットダンスしよ。
ダンス経験もない私が身を守るための行動は急にロボットダンスをする、ということだった。
どんどん近づいてきている自転車を感じつつ、私は歩いていた足を急に止めた。
無心でロボットダンスを踊った。
なんなら明日、ロボットダンスの大会に出る本番前の気持ちで真剣に踊った。
近づいていた自転車は弧を描いて私から離れて行った。
S・A・Y・O・N・A・R・A
自分の身をロボットダンスで守ることができた私は謎の自信がついた。
人って本気出せばなんでも出来るんだね。
『目には目には変態には変態を』
以上!
次回のエピソードは来週の日曜日にアップします。
次は何にしようかなぁ
~後日談~
このエピソードを近所の幼馴染の家で話した。
当時そこの家の子供が小学生だったので万が一、変質者にあった時の対処法をみんなで真剣に話あった。
誰もがこんな経験をしないことが一番だけど、話し合ういいきっかけになったと思えば当時の私も報われるよ・・笑
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