心の声がよくきこえる場所
深呼吸して体の力を抜いたり、瞑想したり、リラックスしているとき、自分の心の奥の方にある気持ちに気付く時がある。
家にいるときは、意識してそういう時間をとっている。
そして、最近気がついたのは、畑にいるときは意識しなくても勝手に体と心がゆるまっているということ。
植物に囲まれているとき、心はとても静かで、穏やかになる。
あれこれ頭で考えることがなくなり、心の声に耳を傾けることが簡単になる。
今、この瞬間にいられる安心感が湧いてくる。
誰かが近くにいても、この穏やかさは変わらずに包み込んでくれる。
週末は、夫も一緒に畑作業をした。
空気の澄んでいる透明で静かな日だった。
まわりの様々な生命の存在を感じる。
調子が良ければ、夫の心の声も聞こえそうなくらいの静けさ。
もし聞こえたら困るので、しょうもない話をふって沈黙をやぶる。
この日、ついに大根を収穫した。
小さい細い大根かもしれないなあと思っていたけど、夫が力を入れてぐいぐいひっぱって、やっと抜けた!
予想以上に大きい。下の方は、小さな足に分かれていて可愛い。土の中に石でもあったのかな。不耕起栽培でも大根ってできるのね。
最後の茄子を収穫して、にんじんの間引きをした。
今年は今までで一番たくさん茄子を食べた年だった。畑に行くたびにぽこぽことできている茄子。旬のものをその時期に食べるって本来のサイクルであり、満たされるなあと思った。
大根がとれたので、ぶり大根を作りたくなり、ぶりを買いに帰りにスーパーに寄った。
こんな日に限って、ぶりがない…
かわりにカナヤマという魚を買った。
家に帰り、大根をきれいに洗った。
葉っぱは夫が念入りに洗ってくれた。
「洗うよ」と言って急に台所に来たので驚いた。
葉っぱがたくさんあって洗うの大変だなぁとは思っていたけれど。
もしかして心の声が聞こえてしまったのか、顔に出てたのか。
晩ご飯のメニューは、
魚と大根の煮物、大根の葉と干しアミの炒めもの、蒸しナスのおかか和え、にんじんの葉と卵の味噌汁
野菜は自分で作ったものだけを使った。こうして晩ご飯が作れたのは初めて。ただそれだけのことだけど、嬉しかった。
固定種の大根、とっても味が濃く、しっかりとした大根だった。
畑に行けば食べ物がある、という安心感。
今は借りている小さな畑だけど、いつか自分の畑を持てたらいいなと思っている。