リトル・ブレイン・ヒューマン #3
Mから電話が掛かってきたのは正午頃だった。
電話越しの彼女の声は、カラリとあかるい調子で、さも暇なので誘っているという感じだった。俺はとくに何の考えも無く、誘いに乗ったのである。
中野駅の南口の改札でMは待っていた。会うや否や、Mは足早に線路沿いの道を歩き出した。「どこに行こうか?」と尋ねても、Mはぼんやりとした返事をするのみだった。
その時、ハッとしたのだった。この時点でMがどこかに連れて行こうとしているのは悟性で勘付いた。でもどこに連れて行く心算なのか聞いてみても、Mは