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カレーを入れるという新しい選択

カレー入れる。

なぜ、カレー入れるという選択肢にとらわれなければならないのか。

ここは、ポスト構造主義よろしく脱構築してみようじゃないか。

そもそもカレーとは何ぞや。

①〔インド・ネパール料理で〕ターメリック・クミン・コリアンダーなど種々の香辛料を混ざて作った△もの(ソース)。カリー。
②カレーライスの略。「ドライ」

引用:新明解国語辞典

みなさまご存知。カレーはインドとネパール料理である。インドを支配したイギリス人がカレーの風味を忘れられず、祖国の料理とのちがいに涙をながしながら(ほんまかいな)開発したのがカレー粉。インド人がイギリス人の味覚を支配したのである。

そのカレー粉を旧日本海軍が日本に導入。そして、肉じゃがと混ぜあわせた。ひと昔まえの日本人が、カレーと聞くと思いだす、ペチャッと黒光りするお肉と野菜ゴロゴロのカレーができたわけだ。

みんな大好きお肉と野菜ゴロゴロカレー。まずは、ここから脱構築しようじゃないか。

ほんとに「みんな」大好きなのか。私はデェ嫌いである。さも人気ものでしょ、みたいな態度が非常に腹ただしい。その昔ボーイスカウトに所属していた私はくそまずいカレーを食わされつづけた。おかげで、日本式カレーは、ウ◯コよりもデェ嫌いである。インド・ネパール、東南アジアのカレーを食べ、日本式カレーをおいしいないと感じだしている人の数は、いつのまにか増えるスパイス瓶のようにじわじわと増えているのではと想像する。

「今日はカレーよ」この言葉から受けとるイメージは、いまや固定されなくなった。インド・ネパール式、ドライ、スープ、肉まん、ピザ、スナックお菓子などなどレシピはひろがった。そしてどこか頭うちのような閉塞感も感じられる。カレー料理の発展余地ははもうない。地球に未踏の地がなくなったように、カレーレシピは広がりきったように思う。

いや、はたしてそうだろうか。カレーレシピは広がりきってしまったのだろうか。もう広がる余地はないのだろうか。

カレーというレシピをタマネギやラッキョをむくように一皮一皮むいていくと、最後に残るのはターメリックとクミン、コリアンダー。その3つの香辛料をいれておけばカレーになる。ただ、塩で酒は飲めるが、香辛料だけでは酒は飲めない、そして腹もふくれぬ。そこでやはりカレーサムシングをいれる必要がでてくる。

ニンニクやショウガ、トウガラシは、滋味ある栄養と風味、辛味を追加してくれる。ここに、アメ色にいためたタマネギをくわえると、じんわりと広がるあまい香りのカレーができる。ニンジンやセロリ、ジャガイモなどの水分をぬきネットリさせたものをいれてもよい。

野菜だけでは、モノタリナイ。やはり牛肉や豚肉、鶏肉、魚介類などをいれて煮こむことになるだろうか。

日本式カレーの作り方、従来のカレーの作り方に戻っとるがな!!

カレーなにかを入れる。この「」にコダワルかぎりカレーレシピは似たり寄ったりのものになる。

そこで、私が提案するレシピは、カレーなにかに入れる

コペルニクス的大回転、発想の展開。そして、コロンブスの卵のようにシンプルなおもいつき。

いよいよ、レシピを書いていく。前置きだけで、1,000文字を越えた。おそらく読者の9割は脱落しているだろうが、このまま筆をすすめる。

カレーをいれるレシピ

ターメリックとクミン、カルダモンがあれば、とりあえずカレーになる。カルダモンさんが家出中だったのでカレー粉にて代用。

クミンは、すりこぎでゴリゴリとつぶす。すりこぎですったスパイスは、最初にいれてもよいし、出来上がり寸前にいれるのもよい。お好みで。

鉄のフライパンにスパイスをいれ弱火でいためる。インドの市場のような雑多でにぎわいある香りがたつまでいためる(私はインド、いや日本からでたことがない)。

ぶ厚い鉄のフライパンにタマネギとニンジン、ジャガイモいれる。みじん切りにしてもよいが、すりおろしたものをいれている。

水分を飛ばして、ねちょねちょペタペタとしたペースト状にしあげる。ここで弱火だとか、混ぜつづけるとか、いろいろな説がある。

私流の野菜ペーストの作り方をご紹介しよう。ぶ厚い鉄製のフライパンを中火にかける。ぷつぷつと小さい泡がたち、ぽっかりと泡が割れるだす。あちこちで泡が割れるようになれば弱火におとす。野菜をフライパン全体にうすくのばす。5分ほどほっておくと、うすい茶色の膜が野菜の底にできる。鉄やステンレス、木のヘラで底からひっくり返す。鉄のフライパンであれば、強引にひっくり返しても痛まない。しかし、テフロンのフライパンで強引に鉄のヘラなどでひっくり返すと、テフロンが死にますゾ。ご注意あれ。

さて、あとは、野菜をひろげる、うすい茶色の膜ができる、ひっくり返す。この作業を動画を視ながら、本を読みながらくり返せば、ペトペトねとねとした野菜ペーストができる。

野菜ペーストの出来上がり。ねっとりとスプーンや木べらにくっつく粘度あり。タマネギのしっとりとからみつく濃い風味。ニンジンの大地にちかい甘味。ジャガイモの、ジャガイモの、、ジャガイモの、、、サムシング。

さて、カレー入れるレシピでなく。カレー入れるレシピ。

カレー入れるか?


正解は、カレー入れる。

日本式カレーはデェ嫌いだが、カレーうどんとカレーそばは大好き。

だが、しかし、カレーうどんとカレーそばを食べているときに悩まされる問題あり。出汁でのばされたトロミあるカレーのお汁。うどん・そばをすする。最後の最後で、釣った魚が逃げるように、うどん・そばのハシッコが跳ねる。無色透明な水しぶきであればよいが、跳ね飛ぶのは黄金色の水だ。着ている服に、黄色いシミが点々と。

カレーうどん・カレーそばは好きだ、しかし、これが本当に困る。

豆知識になるが、ターメリックの色は日光にあてると消えさる。

そこで考えだしたカレーレシピ。カレー服に飛ばない麺レシピ。

麺レシピだ。うどんやそばだけでなく、中華麺やパスタも作れるようになる。おそらく99%の人が脱落しているだろう。

ここまで読んでいただいた読者さま。あなたは1つのnoteを読むだけで、4つの麺を作れるようになるのである。なんと、おとくなnoteだろうか。

カレーが服に飛ばない麺レシピ

うどん:中力粉
そば:蕎麦粉と中力粉を混ぜると作りやすい
中華麵:強力粉、かんすい(食用重曹で代用可)
パスタ:デュラムセモリナ粉と強力粉を混ぜあわせる

4つの麺を作り方は、なんてことはない。粉をかえればよいだけだ。そばは蕎麦粉10割だと作りにくいので蕎麦粉5割:中力粉5割ほどではじめるとよい。パスタもデュラムセモリナ粉と強力粉の割合も半々が作りやすく無難である。

中力粉:100gと野菜ペースト:40gをボウルにいれる。塩を2gにくわえる。

生地を作る

次に水をくわえるのだが、水の量がもっとも気をつかう。おおよそ粉の30%の重量、30gをいれ混ぜあわせる。どれだけ野菜の水分をぬいたか、部屋の湿度などでボウルにいれる水の量はかわってくる。

粉と野菜、水を手で混ぜはじめると、ねとねと、べとべとの粉がベットリと手にこびりつきイライラさせられる。木ベラやゴムベラ、粉と水を混ぜる専用調理器具などで混ぜはじめるとよい。

粉と野菜の全体がしっとりとし、小豆大ぐらいの粒ができるまで水を追加し混ぜあわせる。

粉と野菜がこの状態になれば、手で混ぜあわせてもくっつきにくい。うんつく、うんつく、ボウルに押しつけたり、ひっくり返したり、のばしたり、憎いアンチキショウの顔めがけてストレートをねじりこむように叩いたりしていると、これぞ麺の生地といった塊にまとまってくる。

ちょこちょこと形を丸くととのえる。そして、生地を寝かせる。生地を寝かせると、水分が生地のすみずみに生きわたり、麺のコシの素グルテンがしっかりと形成される。なるべく冷暗所で静かに寝かせる。

うどん生地らしくない、インド映画のような華々しい香りをしている。

おなじ作業工程で4つの麺の生地は作れる。かんすいの影響か、白い強力粉を使ったはずの中華麺がチリパウダーをいれたように真っ赤かに燃えている。

               ラ 中華麺
そ そば                     う うどん
               パ パスタ

生地をのばす

寝かせた生地を作業台にとりだす。

ここで、めん棒で生地をのばし、包丁で生地を切ってもよい。お金もかからずに麺をつくれる。

麺を作りつづけて、はや2~3年の私がおすすめする調理器具、それは。

パスタマシーン。

生地をローラーにとおしのばす。のばした生地をカッターにとおせば麺になる。素人でも幅と厚さがそろった麺を作れる。生パスタがおいしいと評判のイタリアンレストランでも使われているパスタマシーン。

なんと、お値段1万円以下。毎日毎日、麺を作れども壊れない堅牢な作り、まさにプロ仕様。

いまなら送料無料!!そんななこともなく、話を麺作りに戻そう。

5mmほどの厚さになるまで生地をのばす。手でのばしてもよいが、めん棒でのばすと楽ではある。

生地が手やパスタマシーンにくっつくようであれば、打ち粉をふる。

ハンドルをパスタマシーンにとりつける。ハンドルをくるくるとまわすと、ローラーもくるくるとまわる。生地をローラーと密着させる。ぐいんぐいんと生地がローラーをとおっていく。人力でのばすのであれば、うんうん汗をかく必要がある。しかし、パスタマシーンであれば、颯爽とすばやく生地をのばせる。生地がのばされる光景を見たときに『 キン肉まん 』を思い出した人は、昭和うまれ。

ペロリと薄くなった生地は、黄色も薄くなり希薄なっている。しかし、カレーの香りは健在なり。長くのびた生地をペタンとふたつに折る。なぜ、長くなった生地を切らないのか。

うどんや中華麺を作るレシピや動画のなかに生地をビニール袋などにいれ、生地をふむ作業工程がなかっただろうか。生地をふむと、弾力とコシがますのである。いままで生地をふんでこなかったのは、パスタマシーンであれば、生地をふまずとも強い弾力と跳ねるようなコシをうみだせるからである。

麺を均等に切れる、麺の弾力とコシを強いものにできる。おぉ、なんと便利な調理器具であるか、パスタマシーンよ。

さて、弾力とコシをうみだす作業にもどろう。ふたつに折りたたんだ生地をもう1度パスタマシーンに通す。

生地を折りたたむ、生地をローラーに通す、この作業を3~5回ほどくり返すと、生地の表面がしっとりとなめらか、そう、まるで、シルクのようになる。この状態になれば、麺の弾力とコシも強きものになっている。

あなた好みの太さまで生地をのばそう。麺をゆでると、1.5倍ほどにふくらむことを計算しておこう。

生地を切る


生地を切る部位カッターをパスタマシーンに装着する。カッターの種類は多数ある。1mm幅からきしめんよりも太くきれるカッターもある。パスタマシーンを買えばカッターは付属されていることがおおい。

麺の幅と厚さ、麺の弾力とコシを強くし、麺を切る道具もついてくるパスタマシーン、すごくない、すごいですよね、すごいと思いませんか?

ここでもハンドルをくるくると回すとカッターも回りだす。麺を切るカッターは、刃というには丸すぎる。しかし、生地をしっかりと切ってくれる。生地がカッターを通ると、麺状になって落ちてくる。落ちる場所を清潔にしておくか、清潔な器を置いておくか、手でしっかりとうけとめる。

カッターを通った生地は、もう生地ではなく麺とよばれるものなっている。

カッターの幅をかえることで、いろいろな幅の麺を作れる。そして生地の質もちがうので4種類の麺が出来上がった。

パスタ そば うどん
中華麺

中華麺の赤さが際立っている。


ゆでないと麺を食べるのは甚だ苦痛である。

麺100gにたいして、沸騰したお湯1~2リットルを用意する。

ボコボコと高温のお湯のほうが、麺の表面がなめらかになる。低温のお湯でゆでると、ぬちゃっとしたトホホな麺の表面になる可能性あり。

お湯があふれだしそうなときは、水をいれたり、火をゆるめたりするとよい。麺のゆで時間は、鍋の温度や麺の厚さによってかわってくる。ちょくちょく麺の硬さを確認しつつ、ここだ!といったタイミングでお湯からひきあげる。

ゆでたうどんやそばを冷水で洗うとヌメリがとれ口当たりがよくなる。中華麺やパスタは、冷やし中華やつけ麺、冷製パスタとして食べるときは冷水で洗うとよい。

カレーいれた麺は、カレーの香りのする麺としてそのまま食べられる。ふつうのうどんやそば、中華麵、パスタとおなじように食べられる。カレーの香りがあるか、ないか。野菜の栄養があるか、ないかのちがいはある。いま、ふと思いついた、このカレー入れた麺であれば、野菜ぎらいの人でも野菜を食べられる可能性があるのではと。野菜の摂取量がへりつつある日本。野菜の摂取量をあげる救世主にもなりうるカレー入れた麺。

おっと忘れていた。カレーの黄金水が服に飛ばない証明がまだだった。

ティッシュペーパーのうえに、カレーをねりこんだうどんを置く(このあとスタッフがおいしくいただきました)。

黄色くなぁ~い。水にはぬれているが、黄色くなぁ~い。カレーの風味のする麺に白いティッシュがふれていたのに、きいろくなぁ~い。

これでオッチョコイな人でも、デート中の人でも、ちいさいお子様にカレーを食べさせたいけど洗濯のことを考えちゃう人も安心してカレーうどんやカレーそば、カレーラーメン、カレーパスタを食べられるね。

カレーをねりこんだうどん

なんどもローラーでのばされたうどんのコシはいと強し。カレーのお汁で長時間煮こんだように黄色い。しかし、うどんの角はピンシャンとたっておりつぶれていない。

器のうえには、スパイシーなカレーの香りとタマネギのこってりとした甘い風味。スパイシーさと甘さの精妙なバランス。

つるりと流れるうどん。いままでのカレーうどんであれば、カレーの汁が飛ぶのを恐れこわごわとしかすすれなかった。しかし、カレーねりこんだうどんは、そのような心配はご無用。

ズズッと大量に、いままでのウップンをはらすように、うどんとスパイシーな空気をいっしょに口のなかにいれる。豪快にすすりうどんを跳ねさせようが、子供のようにうどんで遊ぼうが、カレーの汁は飛ぶことはない。

しかし、麺つゆなどをかけていると、そのお汁は飛び、服をよごしますゾ。

カレーをねりこんだそば

そばにかんしては、失敗した。そばはすぐにゆでないと、プツプツときれ、タンメンになってしまう。カレーねりこんだそばは、切ったらすぐにゆでるとよい。

タンメンだが、なめらかさはある。長いままであれば、さぞや楽しいお蕎麦になっていただろうにと悔やまれる。

そばのおいしい三原則として、ひきたて、うちたて、ゆでたてとの格言あり。まことその通りでござる。

カレーをねりこんだ中華麺

ゆでることで、いちだんと真っ赤に。辛くはないので安心してほしい。辛いラーメンかと思わせて辛くないという逆ドッキリにつかえる。

カレー粉をいれると、かんすいの香りが消えさり。中華麺から漂う香りは、中国を飛びこし、エベレストを飛びこえインドの香りになった。

はるか彼方のガンダーラをめざした三蔵法師のように、決意がかたく、未来をきりひらけるカレーねりこんだ中華麺。麺はほそいが、コシはつよく、のびにくい。ちぢれた麺にはスープがよくからむ。

カレーの香りとあわせるスープや食材を探求する愉しみもある。

黒いTシャツをきて、腕をくみ、頭に白いタオルを巻きレシピを考えてみようじゃないか。

カレーをねりこんだ生パスタ

カレーをねりこんだ生パスタ。いちばんレシピが広がりそうな可能性をかんじた。

トマトソースやホワイトソース、肉、魚介類、チーズなど、さまざまな素材にミートするだろう。

つるりとなめらか、インド映画の腰ふりのようになめらかなパスタ。もっちりとした食感。もにゅもにゅと噛んでいると、スパイシーな香り、タマネギの潤とした甘さと大地と太陽が育てあげし黄金色の粉の甘さがふくらむ。

単純にケチャップソースを煮つめ、混ぜあわせるとドイツ料理のカリーヴルスト生パスタになる。

カレーいれた新しいレシピの構築完了。

カレーの新しいレシピの可能性の扉を開くことには成功した。これからは、カレーいれた麺のレシピの可能性に期待したい。

最後までnoteに付きあってくれた読者に感謝を。

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