『初等統計学』読了
統計学って、現代社会では重要な割には高校数学でちゃんと勉強しませんよね……?
私が高校生の時は、2年生で数学Ⅱと数学Bを学びました。
数学Bの内容は3章にわたり、数列、ベクトル、そして統計でした。
数学Bの3章のうち、大学受験で必要だから、という理由で数列とベクトルは教わったのですが、統計はほぼ教わらず。
入試には不要でも実生活では統計の方が役に立つのでしょうが…。
ブックオフで220円で入手した、P.G.ホーエル著の『初等統計学』ですが、なかなか読み応えのある本でした。
220円で3ヶ月楽しめました。
私は勉強が好きなタイプの人間でして、統計学を勉強したいから本書を買ったのではなく、面白そうな本があったから勉強するか、というノリで買ったものです。よく変わってると言われます。
人によって好みが分かれるところですが、文章は長いです。章末問題の文章も具体的で長い。
理系の道に進んで研究に応用するための教科書というよりは、文系の方が一般教養として学ぶ教科書という印象でした。社会人にはこちらの方がよほど良いかと思います。
長ったらしい文章題の例。
この問題は、次の問題と本質的に同等です。
全ての場合の数は、$${_6C_3=20}$$通りだから、
確率は$${\frac{1}{20}}$$
文章から本質を見抜くことが大切ですね。私は文章題でつまずいて間違えました。
実生活では赤玉と白玉よりもワイン通の方が遭遇しそうですので(ホンマか?)、内容をよく理解した上で適切に数式を組み立てる能力が身につきそうです。
本書は2部構成になっています。
第Ⅰ部では、標本データの記述から始まり、確率、確率分布、主要な確率分布、そして標本抽出、推定や検定、相関と回帰まで、確率と統計の基本を学びます。
第Ⅱ部では、カイ2乗分布、分散分析(F分布、ANOVA表)、母数によらない検定(正規母集団を仮定しない検定)、重回帰、そして統計的決定問題といった応用を学びます。
数式は比較的少なめで、確率密度関数の定式化などはありませんので、ガチ理系の方で数式の導出に興味がある人には物足りないかもしれません。
なお、巻末には数表が充実しています。これは、ふつうの電卓(あるいは手計算!)で計算することを想定しているものです。関数電卓さえ必要ないです(あるに越したことはないですが)。
しかし、今では統計の計算(データ解析ともいう)は通常PCで行い、ExcelやPython、Rなどを使うのがふつうです。そういった手法を学びたい方は別の本の方が良いかも知れません。
私が使った電卓。右が一般電卓、左が関数電卓です。
関数電卓の方だと、統計モードで平均、標準偏差、総和、平方和などが求めやすいです。
手計算(電卓含む)は面倒ではありますが、統計の本質を手を動かして学ぶことは有益なことです。40年以上重版されているだけのことはあると思います。
繰り返しになりますが、長文が読めない人には向かない本です。Amazonレビューも賛否両論。
中古で220円なら良い買い物だったと思っています。次は何を勉強しようかな。
最後までお読みくださりありがとうございました。
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