『ラッコBOOK』読了
本文にじっくり目を通すも良し、パラパラと写真を眺めるも良し。素敵なラッコ本です。
A5版で127ページ。ボリュームのある一冊です。
今(執筆時点)Amazonでは入荷待ちの状態。大人気ですね。
はじめに断っておくのですが、この本にスマスイの明日花ちゃんや、のとじま水族館のラスカさん、アクアワールド・大洗のカンナちゃんは出てきません。
かつてラッコがいた水族館や、そこにいたラッコの写真もたくさん載っているのですが、全ての園館を網羅しているわけではありません。
表紙/裏表紙&はじめに
本の帯はあった方がいい場合とない方がいい場合があるかと思います。
帯にいるメイちゃんキラちゃんリロくんも可愛いのですが、この本に関しては帯のない方が自然なデザインになっています。
私は帯を外して透明ブックカバーをかけ、その上から帯を掛けました。これで帯の下に隠れてたメイキラコンビやパタさんがいつでも見られます。
ページをめくると可愛いラッコたちの写真でいっぱい!ラコ分の過剰摂取に注意。
ラッコについてわかっていることすべて
中身が充実。写真を交えてわかりやすくラッコを解説。改めてラッコって不思議で奇跡的な動物なんだなと感じさせられました。
"石の伝説”(お気に入りの石をなくすと落ち込んで死んじゃう)をはじめに否定している点は高く評価したいです。
ちなみに、ラッコは海水をしばしば飲むようです(Ortiz, 2001)。海水からも水分を摂取していることが分かっています。海棲哺乳類の常識が通用しない変わった生きものなのです。
ラッコの天敵、敢えて挙げるとしたらニンゲンでしょうか。
赤ちゃんラッコの育ち方としてマナちゃんが取り上げられていました。私はマナちゃんを見るたびに心がぎゅっと締め付けられます。可愛いけどちょっと辛い。
水族館にいたラッコたちのアルバム
今ラッコがいる鳥羽水族館、マリンワールド海の中道のほかに、サンシャイン水族館、海遊館、伊豆・三津シーパラダイス、マリンピア日本海、宮島水族館、うみたまご、かごしま水族館、アドベンチャーワールドが載っています。
個体の名前や特徴などは本やネットで調べられますが、写真となるとちょっと難しくなりますよね。ネットがない時代の個体となるとなおさら。
そのため、園館が所有する写真をこうして書籍として見ることが出来るのはとてもありがたい。
海遊館、パタさん以外にもたくさんラッコいたはずなのに載ってないのは惜しい(ですがドーンと美人ラッコのパタさんが1ページを占めていて可愛いので問題なし)。
まさかスマコの写真がお目にかかれるとは思ってなかったのでびっくり。
ラッキーの写真もかごしま水族館とマリンピア日本海のページで見られて良かったです(ラッキーの誕生日が1998年3月18日になってますが5月13日ですよね)。
この章で一番良かったのはアドベンチャーワールド。そもそもここはラッコの愛称を公表していない園館なので、名前付で写真が紹介されていることに感動。
リロとキラのお父さんのカンも、ロイズのお父さんのシンシンも載っていて最高です。赤ちゃんラッコのライズくんも可愛い(語彙力)。
フローラの写真が載っていればなお良かったのですが、文句は言いません(フローラはリロ、キラ、ロイズのお母さんです)。
"ラッコな人々"インタビュー集
鳥羽水族館の石原さん、マリンワールド海の中道の土井さんの話は特に重みを感じます。
土井さん今ではグッズの企画もしてるんですね。そりゃグッズ可愛いわけだ。
一方でラッコブームの仕掛け人やメディアの方、野生動物の研究者といった方々のお話も、私と違った視点からラッコのことを見ていて、様々な意味で勉強になりました。
個人的にはmunyさんのサイトにはよくお世話になっていたので、インタビューが見られて良かったです。今ではHPが整理されてしまいましたが、たくさん情報が載ってたんですよ、特に水族館の個体について。
最近Twitterもあまり更新されてなかったので、久しぶりに会えたような感じがして良かったです(会ったことはない)。
ちなみに、ラッコ飼育頭数のピークが1991年とありますが、1994年なのでは…?
ぶっちゃけTwitterのラッコな方に言われるまで気づきませんでしたが(^_^;
北海道・霧多布紀行
一度は行きたいあの場所、霧多布。
こういう旅行記は私の好物です。
実体験ほどリアリティのあるものはないですね。読み応え満点です。
私も一度行ってみたいな。行くことだけが正義ではありませんが。
ラッコのいる海は生物多様性に富んだ豊かな海です。豊かな海を守れるように、私たちに出来ること。
例えば、ポイ捨てをしない、猫のふんをトイレに流さない、無駄なものや処分の仕方が分からないものは買わない、などなど。
ラッコ保護や、人との関わりについては、私が以前書いた記事もお読みいただけると嬉しいです。
ラッコ推し活ガイド
鳥羽水族館やマリンワールド海の中道、霧多布はもちろんながら、今さんのラコラコラッコツアーも載ってて素敵。
モントレーベイ水族館、バンクーバー水族館、シアトル水族館。どこも行きたいところばかり。
ラコラコラッコツアーについて書かれたこちらの記事も旅の参考になります。
総評+他のおすすめ本
一部のラッコ過激派から内容が薄い・間違ってるなどという意見はありましたが、買って損ということはないでしょう。
園館秘蔵の写真は、この本がなかったら見る機会はなかったでしょう。それだけでも十分元は取れます。
本文も、繰り返し読めば読むほど新たな発見があって、充実した内容になっていると私は思います。
なんと言ってもやっぱり、ラッコは可愛いし。
本当はスマスイが載っていれば私は言うこと無しなのですがね……。まあ、資料(スマスイ60周年記念誌)持ってるからいいんだけど。
さらにラッコを知りたくなった方へ、『ラッコのすべて』もおすすめします。図解が多くてわかりやすい。
鳥羽水族館の『ラッコメモリアルBOOK』もおすすめ。鳥羽水族館の売店で買えます。たぶん。
マリンワールド海の中道のラッコについて詳しくは『らっこ MARINE WORLD RACCO HISTORY』もどうぞ。こちらも水族館の売店にある…と思います。
霧多布のラッコについて『ラッコ 霧多布で生まれたA子の物語』という本があります。こちらはNPO法人エトピリカ基金までお問い合わせ下さい。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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