イタリアが危ない!現状を知ってほしい

こんにちは。
皆さんは、イタリアと言えば、何を想像されますか?
世界遺産があふれる美食の国イタリア、として日本人にも人気の国ですよね。イタリア人は陽気で、明るくおしゃべりで、ポジティブに楽しく暮らしているというイメージもありますよね。

それが、今回の騒動で、あっという間に恐ろしい国になりつつあるんです。そんな現状を皆さんに知っていただきたい、そして、イタリアに住んでいる日本の方に、情報をお届けできたら、と思っています。

言いたいことはたくさんあるのですが、まず、今回は一番重大事についてだけお話しします。

2022年1月8日、今年最初の新たな緊急政令(第1号)が発令されました。

内容はなんと、イタリアに住んでいる50歳以上の人への3回のワクチン接種や、それに伴う職場でのスーパーグリーンパス所持・提示に係る義務等が定められていたんです

長いですが、在イタリア日本大使館による訳文を引用しますね。

1 50歳以上のワクチン接種義務(第1条)
(1)本緊急政令発効日(当館注:2022年1月8日)から2022年6月15日まで、イタリア国内に居住する50歳以上のイタリア市民、他国のEU市民、外国人市民に対してワクチン接種義務(初回ワクチン接種サイクル及びブースター接種)が適用される。
以上の規定は本緊急政令発効後、2022年6月15日までに満50歳を迎える者にも適用される。
(2)ワクチン接種免除に係る保健省通達に鑑み、一般医又は種痘医により証明された裏付けのある特定の病態に関連して健康上のリスクが確認される場合、ワクチン接種は行われない、または延期され得る。COVID-19に感染した場合は、保健省通達に基づき、ワクチン接種が可能となる最初の日付まで接種は延期される。
(3)職場でのスーパーグリーンパス(当館注:ワクチン接種証明及び治癒証明のCOVID-19グリーン証明書)使用の拡大
(ア)2022年2月15日から、国内の公共・民間部門の労働者に関しては、上記の50歳以上のワクチン接種義務が課され、国内の職場へのアクセスにはスーパーグリーンパスを所持し、提示しなければならない。公共・民間部門の雇用者は、各職場でこの遵守を確認する義務がある。 
(イ)50歳以上の労働者がスーパーグリーンパスを所持していないことを伝えた場合、又は職場に入る際に同証明書を所持していない場合、同証明書を提示するまで、いずれにしても2022年6月15日までは正当な理由なく欠勤しているとみなされ、懲戒処分を受けることなく、雇用関係を維持する権利を有するものとする。正当化されない欠勤日に対しては、給与やその他の報酬、賞与等は支払われない。
(ウ)50歳以上の労働者が上記(ア)の義務に違反して職場にアクセスすることは禁止される。違反した場合、600から1500ユーロの行政罰が課される。
(4)50歳以上のワクチン接種義務に関して、以下のいずれかの違反の場合には100ユーロの行政罰が課される。
・2022年2月1日時点で、初回ワクチン接種サイクルを開始していない者
・2022年2月1日以降、初回ワクチン接種サイクルを完了しなかった者
・2022年2月1日以降、初回ワクチン接種サイクルに続いてスーパーグリーンパスの有効期限内にブースター接種を行わなかった者

在イタリア日本国大使館

実際に読んでみると、とりあえず100€、日本円で約13000円くらいの罰金で済むのですから、そこまで驚くものではないのですよね。ただ、そのことよりも、民主主義の国イタリアは、もうないに等しい、という現実がはっきりと突き付けられました。もう共産主義というか独裁制というか、とにかく、個人の基本的な人権が認められない、ということです。

日本と同じように第二次世界大戦の敗戦国イタリアは、戦後、憲法で基本的な人権の自由が制定されました。医療に関してどういう治療方法を選ぶかも、当然、個人個人がそれぞれの状況に応じて選択できる権利をもっているんです。それをイタリア政府が全く無視して、義務化を促す緊急政令を発動したのですから、民主主義とはいえないのです。

ここまでくると、もう、完全にワクチン云々の問題ではないのです。政府が個人の自由を尊重しない、ということが大きな問題なのです。

ワクチンを打った人の中には、自分たちは関係ないと思っていらっしゃると思います。でも、この緊急政令、よく読んでください。未接種者だけじゃなくて、3回目、ブースターの完了までが義務つけられています。ということは、「ウイルスに打ち勝つためには、2回のワクチンを受けることしか方法はない」という当初の政府の話と違って、きちんとした説明がないまま、3回接種が義務になっています。ただ、今は3回だけど、ここで受け入れてしまうと、政府の考え次第で4回にも5回にも、毎月接種にも、どうにでも変えられるということです。

しかも、この緊急法令、記者会見もなかったんですよ。当の首相はいなくて、3人の大臣が外で簡単に記者の質問に答えただけです。ちらっとしか見てないのですが、保健大臣が「集中治療室の三分の二を未接種者で占められていて、医療機関の負担が大きくなっている。だから、義務つける」というようなことを言っていました。

「え?」私はそれを聞いてびっくり!接種者してても、集中治療室にまで入るほど重症化してしまう人が、そんなにたくさんいるんですよ!感染を防ぐ効果はないけど、重症化を防ぐ効果がある、と言うためには、ゼロ、もしくは、数人であるべきなんじゃないのかな?と素人考えでは思ってしまいます。

まあ、その突込みは置いておいても、こんなに重大な決定に対して、首相から直接国民への説明がないなんて失礼ですよね。2日経った、10日になって、ようやく首相の会見を行い、保健大臣の説明と同じで、問題は未接種者が多いからだとあらためて発言しました。詳細に関しては答えずに、会見が遅れたことに関して謝罪してました。ただ、集中治療室の事に対しても、ちゃんとした数値のグラフも見せてほしいし、どうして50代以上が全員対象となるかの説明もしてほしかったです。49歳ならよくて、51歳がだめな理由。

ただ、幸か不幸か、ここまで不誠実な態度をとる政府に対して、ついに多くのイタリア人が立ち上がっています。これまで、イタリアは長い歴史の間に多くの民族に支配された経験があるからか、悪政に対してもしょうがない、と思っていたような感じだったような気がします。まあまあ、好きにやらせておけばいいよ。どうせそのうち上手くいかなくなるんだから、とりあえず、言われる通りにやっておけばいい、というような感じ。温暖で食事も豊かな国だけに、北ヨーロッパのような抵抗する精神のようなものが少ないのかもしれません。というのが、私の個人的な感想です。そういえばキリスト教に抵抗したのも、北の国でしたね。

とはいえ、今回の緊急政令に対して、本気で自由主義の危機を感じた多くのイタリア人が、今、抵抗活動を始めています。まずは、不服従。まるでガンジーのように。

意外にも、多くの人が声をあげていて急展開にことがすすんでいます。私も、最初、ものすごく落ち込んだのですが、志を同じくする友人と繋がっていくことで、今では一人一人ができることをしていけば、この事態を絶対に打開できるはずだと信じています。

私の出来ること・・・考えに考えて、つたないながらも、ここで状況をお知らせしていくことにしました。

ここまで読んでくださった方、ぜひ、このイタリアの現状を拡散してください。よその国でこんなひどい目に合わないように。

最後に、イタリアの基本的人権を守るために活動しているリーダー的な存在、EU議員のフランチェスカ・ドナートの動画を張っておきます。

これは今回の義務化が始まる前、昨年、すでに出されていた動画です。「call to all democratic governments .Don't leave italians alone(すべての民主主義政府に呼びかけます。イタリア人を放っておかないでください)」

当然だと思っていた基本的な人権。でも、それって戦争で本当に大変な思いをした私たちの先祖が、大きな代償ともに私たちに残してくれた大切な権利だったんですよね。私たちも次の世代に残していかなければいけないんです。頑張りましょう!

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