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欲しいものを買える人とそうでない人

 世の中には二種類の女の人がいる。旦那さんの稼いだお金で何の躊躇もなく自分の欲しいものを全て買える人と、買えない人だ。そう言ったのは母だ。母は、自分は後者のタイプと言っていた。
 母が仕事をしていたころ、昼食を取ろうとお店に入った。その店は価格が高めの店だが、ランチメニューは格安だったので機会があれば行きたかったのだという。すると、近くに女の方のグループがいて随分長い間お昼を楽しんでいたという。平日の昼間集まって長い時間いられるって、私には考えられないわ、と話してきた。働いている時はストレスもそれなりに多く、よく腹も立てていた母。時間を気にして入った店で、自分とは対照的な人たちを見て、気に入らないと思ったのだろう。
 テレビを見ていると、いかにも高級そうなコートやバッグを持った人が、全部旦那さんに買ってもらったと言うけれど、何も思わないのね、とも言う。自分が欲しいものは自分で買うものと思っているから、欲しいものが出来たら買ってもらおうとする考えにはならないと、よく話していた。誰かに頼んで買ってもらうなんて嫌。おねだりする行為が嫌だから、私は働いているの。そう聞いた。
 結婚後、私が働いてないころは、洗顔後のスキンケア用品を買うのにも考えるようになった。これまでと同じものは高いのではないか。家族で使うものではなく、自分だけが使用するものを買う。趣味のものなど生活の必需品でないものに対しては、何でも思うように買えないと思った。私も母と同じ考えになっているらしい。
 お金についての考えは人それぞれだろうけど、身近な人の影響は、かなり大きいものに思う。

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