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炎上とリテラシー

 私の「推し」のマネージャーさんが、お怒りだった。ごく一部のファンの方のマナーの悪さについてのもの。「SNSリテラシーの低い人」は発信するな、と怒りの大きさが分かる。
 有名人に遭遇した場合、一人だと静かにしているが集団でいると気が大きくなるのか、近寄っていったり、誰々が〇〇にいたとSNSに上げたりがあったような内容だった。どんな仕事をしていようが、みな同じ人間。自分がされて困ることはしない。それは分かっているのだけれど、誰かがすると、同じようにしていいと思い込む面もあるのかもしれない。
 リテラシーというのは近頃よく聞くが、何となく分かるようで説明してと言われるとできない。〇〇が常識という一般的なマナーも、世代、人によって多少変わることがあるのかもしれない。人の価値観も、バラバラになってきたように思う。
 こういうことはしてはいけない、というのは学校の勉強のように教えて身につくかというと、違うと思う。育ってきた環境が大きいかと。家庭によって、人の考え方は変わってくると私は考えている。
 ライブが行われる際、事前に禁止事項を読んでルールは頭に入れている。ただ、実際行ってみて、あるルールが守られていないと知ったとする。守っていない人がいる。それを見た時、注意してやめさせようとする人、やってバレないようなら真似しようとする人。その行動は、周囲の人に影響を与えるものになると思う。歩行者用の信号で、まだ青になっていないのに渡れそうだと歩いて行く人があると、周りの人も一緒に渡りだすことがある。青信号に変わるまで動かない人もいるかもしれない。でも、周りの動きに合わせる人の方が多いと思う。それと同じだ。
 今回、このルールについての注意を見たとき、嫌な予感がした。なるべく見ないようにしていたが、私もSNSは見るので見てみると、やはり炎上していたようだ。そして、ファン同士の喧嘩とも思えるコメント。マネージャーさんは一部の人と書いていたのだが、強い気持ちがあふれる長文だっただけに、感情が揺さぶられた方がそれだけ多かったのだと思う。現在は、自分の気持ちを発信するのが簡単にできるようになっているので、たくさんの気持ちが瞬時に世の中にあふれる。SNSでのコメントが大声で騒いでいるかのように、怒鳴りが聞こえてきそうで恐ろしかった。コメントしたことが瞬時に伝わるのは、怖い事とも思う。翌日には、昨日の投稿は消したという内容のものも何件か見た。
 便利なSNS。炎上騒ぎも話題になるが、今回は、この騒ぎが起こる前から推しに対する嫉妬のようなコメントも見ていて、嫌な予感はしていた。面と向かって人に何か言うことはないが、匿名のコメントで不満をぶちまけるのは簡単だ。
 SNSリテラシー、国民全体に示せるものはないだろうか。それは、基本的なマナーをもう一度考える機会にもなると思う。

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