ずっと休んでいたって、疲れた心は回復しない
本当に心が疲れ切ったとき、脳も身体もちょっとバグったりするので、
疲れを感じることができなかったり、妙にテンション上がったりします。
テンションが上がるというのは、「よし、やったるで!」というのではなく、「今やらなければ!」と何かに駆られる感じです。
自分の心が疲れているかどうかを自分が知ることは、かなり難しい。
それでも、
こなせどこなせど仕事が増えて終わらない状態が続いていたり、
この人と一生一緒にいたいと思った人から突然別れを告げられたり、
話が全く通じない相手と延々と交渉しなければならないとき、
心も身体ももう無理だ、一ミリも動かないってなります。
こういうときは、抑うつ傾向が出てきます。
おそらく「少し休みましょう」と言われます。
一ミリも身も心も動かないんだから、本人も休みたいんです。
眠れるのであれば、死んだように眠り続けたいだろうし、
完全に外の世界をシャットダウンして引き籠もりたいだろうし、
本当にな~んにもしたくない状態になります。
それは正しい。
だって、そうなるまで頑張ったし、辛い思いもしただろうから。
ただ、心身を回復させるということであれば、
ただただ、ダラダラ寝ていればいいというわけではありません。
病気をしたり骨折で入院をした方はわかると思いますが、
入院生活って案外ゆっくりしていられません。
看護師さんが検温に来たり、3回決まった時間に食事が来たり、検査に行ったりします。
大部屋だともっと人の出入りが頻繁になります。
私も経験ありますが、お腹を手術して次の日にはトイレに歩かされました。
内心、もっと優しく労ってくれ~と思って泣きたいやら叫びたいやら…
人は「休む」というと、「止まる」「動かない」とイメージします。
だから、回復するまで「休む」となると、ずっと寝て起きてをキープさせてしまうんです。
しかしある程度ちゃんと「休む」ことができたら、今度は社会生活が送れるように、心身を「整え」ることが回復への道のりになります。
ところが、止まった状態から急に動かすとき、心は必ずしもついてきません。
ずっと鬱々したままです。
ここで心を基準にしてしまうと、止まったままだったり、良いときと悪いときの波がでてきて、止まったり動いたりを繰り返してしまいます。
これも仕方のないことなんですけどね。
だからここで少しずつ、日々のルーティーンを入れていきます。
朝はご飯を食べる
歯を磨く
カーテンを開ける
窓を開けて換気をする
洗濯をする
など、できるところから淡々と動くことを目指します。
こういうルーティーンって、自分のことだと、どうしても続かないこともあります。
だって、「まあいいか」でなんとかなっちゃうから。
子供やペットがいる場合だと、なんとかならないことが多いので、少々しんどくてもルーティーンをこなせるときがあり、生活のリズムを身体が思い出しやすくなります。
もちろん無理はいけないのですが、日常生活のリズムをある程度崩さないことが、回復を早めるように思います。
日々の生活の中で、無心で淡々とルーティーンをこなしながら、心と身体の筋力を徐々に上げていきましょう。
今回は抑うつ傾向がある方に向けて書いています。
うつ病を発症した方は、主治医の指示に従ってください。