りんご。
シャミシャミと頬張るりんごの咀嚼音は
洗脳されたこの世界さらわたしをリセットしてくれる。
仮眠から目覚めた私はりんごをひとつちょうだいな。
一口食べた。
幸せの味が、
どんどん汚れを流していく。
嘘つきなあなたは八方美人で、
作り笑顔や大きな声の世間話に
恐怖さえ感じ、
本気でごっこ遊びに没頭してる幼児性に
呆れ果てた。
じわじわ唾液腺は
腫れ上がってくる。
最後の一つのりんごを大事にかじる。
軽やかに音と、
柔らかい甘さ。
ほのかな酸味が
止まっていた呼吸を深くさせ、
私を癒す。
ご馳走様。
こうして、また生活という雑音に
汚染されていくのであった。
oli