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感想文にしか重きを置かない作文指導

ここ2年間で私は中学2年生のつくる文に触れていて、何だかずっと違和感がありました・・・


(実はずっと以前から、前任校で高校生のつくる論文なんかを読んでいてもそうでした)
とにかくモヤモヤして分からずでいたのですが、何となく糸口が見えてきました。


言語学者である金田一秀穂さんをご存知でしょうか?
彼の指摘が実に的を得ていて、面白いなと思いました。


『日本の教育は子どもたちに感情を表現する文章ばかりを善かれと思って指導している。小学校では感想文のようなものばかりを書かせる。例えば「楽しかったです」「嬉しかったです」で締めくくるようなもの。これだと、事実を多くの語彙をつかって、豊かにしっかりと描写する力が育ちません。』

これに対して、数式や記号を作文で描写するなどすれば、こういった現状を実感できるなどと論を展開されていました。


なるほどっと思わず納得してしまいました。
確かに感情を表現する文章を書く生徒が多いです、そしてそれにより事実を曖昧に表現してしまう、あるいは抜け落ちてしまうことも…
でも、言語的な性質からいくと日本語は感情を表現するのに非常に長けているとも言えるようです。



だから、しっかりと切り分けてあげないといけないのかもしれません。
日々の授業の中にファクトをいれて実践してきたつもりです。
ちゃんと自己や他者の感情に流されず、目の前のファクトを的確に見定める力をつけてやること。

目の前の子どもたちに、こういったことに気づかせてあげる機会をとっていければと考えています。

何かスピーチをさせると
「・・・・・楽しかったです」
「・・・・・嬉しかったです」
で終止する。
もう、こんな悲しい物言いはしないようにさせてあげたいなと思います。

もっと、具体性に富み、論理的な構成に基づいた分を作成できるように、数学から道を切り拓いていく術をさらに模索していきたいです。

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