数のヨミカタの練習2-2 ~計測は力なりの事例 体重と体脂肪率 その2~
1.問題
前回(数のヨミカタの練習2-1)、3年前から現在までの私の体重と体脂肪率の変化を公開しました。
2018年6月20日(水) 58.4kg 18.6%
2019年6月20日(木) 55.8kg 17.0%
2020年6月20日(土) 56.2kg 18.2%
2021年6月20日(日) 56.0kg 18.1%
さて、この間に私の体重と体脂肪率は減っているのでしょうか?
2.比較
1)2018年と今年(2021年)の比較
体重は2.4㎏減少、体脂肪率0.5%減少
それぞれ、率に換算する、2018年から
体重 -4.11%(2.4÷58.4×100)
体脂肪率 -2.69%(0.5÷18.6×100)
何となくですが、体重は減少、体脂肪率はあまり減少していない(変化があまりない)という印象です。
2)2019年と今年(2021年)の比較
体重0.2㎏増加、体脂肪率1.1%増加
率に換算すると、2019年に対して
体重 +0.358%(0.2÷55.8×100)
体脂肪率 +6.47%(1.1÷17.0×100)
体重はほぼ同じ(変化なし)、体脂肪率は増加です。
3)昨年(2020年)と今年(2021年)の比較
体重0.2㎏減少、体脂肪率0.1%の増加
率に換算すると、2020年に対して
体重 -0.356%(0.2÷56.2×100)
体脂肪率 -0.549%(0.1÷18.2×100)
体重と体脂肪率の変化率は、いずれも1%を大きく下回っているので、両者とも変化なし(同じ)です。
4)2018年と2019年の比較
体重2.6㎏減少、体脂肪率1.6%減少
変化率は体重 -4.45%、体脂肪率 -8.60%
体重と体脂肪ともに、明らかに減少しています。
5)2018年と2020年の比較
体重2.2㎏減少、体脂肪率0.4%減少
変化率は体重 -3.77%、体脂肪率 -2.15%
こちらも両者ともに減少しています。
6)2019年と2020年の比較
体重0.4㎏増加、体脂肪率1.2%増加
変化率は体重 +0.717%、体脂肪率 +7.06%
体重はほぼ同じ、体脂肪は大きく増加しています。
2.比較についての課題と対策
冒頭の”私の体重と体脂肪率は減っているか?”という問いの回答は、『減少している』と結論づけたい欲求に駆られますが、冷静に考えると、曖昧な点や問題点があります。
<課題・問題点>
・比較の基準が明確でないため判断難しい
どの数字がどう動いたら、”増加/減少”という基準が曖昧
・体重と体脂肪率の動きが少し異なる
18年と21年を比べると体重の減少は明らかだが、体脂肪は微減(同水準?)ではないか?
・比較する年によって状況が異なる
18年からの推移を見ると、18年から19年は減少、19年から20年にかけて増加、20年と21年はほぼ同じ水準
・各年の1日(6/20)だけの比較で断定できるか?
6/20のデータがその年の代表値になっている
他のデータも比べるべきではないか?
<対策>
上記、課題・問題点の対策として、以下のようなルールと注意点を設定します。
・変化率を比較する
・変化率の比較において、用語を統一するする
変化なし(ほぼ同じ):1%未満の変化
やや減少/増加 :1~3%未満の変化
減少/増加 :3~5%未満の変化
かなり減少/増加 :5%以上の変化
・体重と体脂肪率はそれぞれを比較する(別々に扱う)
・比較する目的を明確にする
・目的に合致した比較がなされているかを検証する
3.比較まとめ
1)変化率の比較
・6/20の体重の変化
19年は、18年と比べ“減少”
19年と20年、20年と21年はともに“変化なし”
21年は18年と比較すると“減少”
・6/20の体脂肪率の変化
19年は18年と比べ“かなり減少”
20年は19年と比べ“かなり増加”
21年は20年と比べ“変化なし”
21年は18年と比較すると“やや減少”
体重と体脂肪率の比較をまとめると、下表のようになります。
6/20の時点の比較をしましたが、長期的に見ると(21年と18年を比較すると)体重も体脂肪率も減少傾向が見てとれますが、細かい比較をすると、それぞれ異なった動きをしています。
2)比較にあたって
データの比較は単純ではないと感じた方もいるかも知れませんが、以下のようなことに注意を払えば、少しずつ慣れるものです。
①比較の目的を考える
②データを丁寧に見る(扱う)
③何と何を比較するかを明確にする
④大きい/小さい の判定基準を考える(設定する)
⑤自分なりの結論を考える
今後もデータの比較について記事を投稿する予定ですが、数のヨミカタは
「比較に始まり比較に終わる」
と言っても過言ではありません。「データの比較」ができるということは、数のヨミカタができるということです。
なお、課題の1つにあげた「各年の代表値を6/20時点としていいか?」という点については、このデータだけでは検証することができません。後日、追加データを用いて議論することとします。